速度特化と二層の番人。 ページ25
「んじゃ、ごーっ!」
扉を開き、そのボスの姿を目の当たりにする。
そこにいたのは角が木の幹のような、植物を体現したような大型の鹿。
その角には見事に真っ赤な林檎が輝いていた。
「よっし! 【毒竜】!」
「【ファイアバレット】!」
メイプルとカナデが初手に高火力の魔法を放つ、が……
「えっ!?」
「あーら、マジか」
「ギミック系かぁ」
しかし鹿の目の前に展開された、緑色の障壁がそれを妨げる。
「来るぞ!」
返しに伸ばされた、大量の蔦。
メイプルは盾で飲み込み、カナデは回避し、サリーは横をすり抜け、Aはその場から掻き消える。
「どっ、どうするの!?」
「どっかに障壁作ってるのがあるはず!」
「それを壊すぞ!」
ひとまず障壁の範囲とその発生時に変わった箇所が無いか確かめてみる。
「【ファイアバレット】!」
「【ウォーターボール】!」
「オッラァ!」
炎弾が、水球が、双槍が障壁に阻まれる。
しかし、幾度も放たれた魔法のうち、角目掛け飛んだものは防がれなかった。
「やっぱり角だ!」
「と、なると……【ウォーターボール】!」
もう一度障壁を発生させ、Aとサリーは角に注目する。
すると障壁の発生した瞬間、その真っ赤に熟れた林檎に、赤い小さな魔法陣が浮かんでくるくると回っているではないか。
「あの林檎だ!」
「よーしメイプル、やっちゃえー!」
「わかった! 【毒竜】!」
再び放たれた毒の竜は、今度は角目掛け飛んでいきその林檎を吹っ飛ばした。
「ほっ!」
即座に距離を詰めたAが双槍を振り抜けば、今度は障壁に阻まれることはなくダメージエフェクトを散らせる。
「よっしゃぁ! 攻撃が通じる!」
「よっし! 一気に攻めるよ!」
一転攻勢、猛攻を仕掛ける彼らの魔法が飛び交う。
凄まじい勢いで削れていくそのHPは、あっという間に残り数ドットとなり、そして。
「【ウインドカッター】!」
カナデの放った風の刃が、蔦の森をすり抜けて最後のHPを削り取ったのだった。
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リョウナ - 深緑クロロさん» ありがとうございます!!お互いに頑張りましょう!! (6月21日 8時) (レス) id: 25016b7547 (このIDを非表示/違反報告)
深緑クロロ(プロフ) - リョウナさん» ありがとうございます、そう言っていただき嬉しいです!自分も誰かに助言なんて言える立場じゃないんですが、とにかく自分のやりたいように楽しく書いていくのが一番だと思っています。何事も楽しくなければ良い物を作ることは出来ませんから。お互い頑張りましょう! (6月20日 17時) (レス) id: 3d6a53223e (このIDを非表示/違反報告)
リョウナ - この作品、めちゃくちゃいいですね!!あと、書くのが上手すぎます!!それで、もし出来たらなんですけど、うちの作品にアドバイスをくれませんか?お願いします!!これです→https://uranai.nosv.org/u.php/novel/heoaud/ (6月20日 15時) (レス) id: 25016b7547 (このIDを非表示/違反報告)
黒炉@深緑ノ支配者@全初卓部員(プロフ) - 幽霊さん» ありがとうございます!これからも更新続けていくのでよろしくお願いします! (2023年5月11日 16時) (レス) id: 3d6a53223e (このIDを非表示/違反報告)
幽霊 - この作品好きです!めっちゃ大好きです!!更新とか頑張ってください!! (2023年5月11日 13時) (レス) @page29 id: fbfc17f9e3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:クロロフィル@深緑の指揮者 x他1人 | 作者ホームページ:No.
作成日時:2023年2月25日 15時