回避特化と泡爆弾。 ページ19
警戒するサリーの眼前、魚の体の横に一対の魔法陣が出現し、白い光を放つ。
そこから溢れ出てきたのは大量の泡。
「【ウォーターボール】!」
確認のため放ったのは扱いやすくMP消費の少ない【水魔法】の初期スキル。
小さな水球が泡に触れるとたちまち泡は大きな音を立てて炸裂した。
明らかに触れたら死ぬことがわかったので、フィールドを埋め尽くしていく泡を水魔法で破壊しつつ、迫り来る魚から逃げていく。
「……追尾かぁ」
と、ここでサリーが気付いた行動変化は、サリーの後を追い続ける追尾型の行動パターン。
……それなら。
水魔法で爆破させて作った僅かな隙間。
そこに体を捻って捻じ込み、魚をすり抜ける。
「【パワーアタック】!」
赤いエフェクトが深々と突き刺さり、その巨大魚の背に赤い一本の線を刻む。
胴体まるごと切り裂かれ、その体力が二割ほど消し飛んでいったのを確認して、ついでに背ヒレを数回切りつける。
そしてサリーを捉えるべく振り返った刹那、その動きに着いて行けなかった泡の弾幕が薄くなる。
「【ウインドカッター】!」
針に糸を通すように、寸分の狂いも無しに正確に放たれた風の刃が、魚の頭を深く傷つけた。
そしてとうとう残り二割を切り、赤く染まったHPバーは魚の怒りを表しているようであった。
その瞬間泡を生み出していた魔法陣が消え、代わりに部屋全体が水で満たされる。
一旦消えたはずの白い魔法陣は、部屋の四隅に移動して大量に泡を生成し逃げ場を無くしていく。
そして、魚がカパッとその大口を開いた。
普段は泳ぐ勢いで水を取り込む為の空洞から、逆に淡い青色の光が漏れ出す。
「……!」
サリーがその正体に気付いた時には、反射的に彼女の体は危険を回避する為に水を大きく掻いていた。
刹那サリーのいた場所に放たれた、高圧で解放された水の奔流。
凄まじい量と勢いのそれを目の当たりにし、更に行動が制限されるこの状況では二発目を避けることは少し厳しいことを察してしまう。
サリーの脳裏に、焦りが浮かんでいた。
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リョウナ - 深緑クロロさん» ありがとうございます!!お互いに頑張りましょう!! (6月21日 8時) (レス) id: 25016b7547 (このIDを非表示/違反報告)
深緑クロロ(プロフ) - リョウナさん» ありがとうございます、そう言っていただき嬉しいです!自分も誰かに助言なんて言える立場じゃないんですが、とにかく自分のやりたいように楽しく書いていくのが一番だと思っています。何事も楽しくなければ良い物を作ることは出来ませんから。お互い頑張りましょう! (6月20日 17時) (レス) id: 3d6a53223e (このIDを非表示/違反報告)
リョウナ - この作品、めちゃくちゃいいですね!!あと、書くのが上手すぎます!!それで、もし出来たらなんですけど、うちの作品にアドバイスをくれませんか?お願いします!!これです→https://uranai.nosv.org/u.php/novel/heoaud/ (6月20日 15時) (レス) id: 25016b7547 (このIDを非表示/違反報告)
黒炉@深緑ノ支配者@全初卓部員(プロフ) - 幽霊さん» ありがとうございます!これからも更新続けていくのでよろしくお願いします! (2023年5月11日 16時) (レス) id: 3d6a53223e (このIDを非表示/違反報告)
幽霊 - この作品好きです!めっちゃ大好きです!!更新とか頑張ってください!! (2023年5月11日 13時) (レス) @page29 id: fbfc17f9e3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:クロロフィル@深緑の指揮者 x他1人 | 作者ホームページ:No.
作成日時:2023年2月25日 15時