状況説明 ページ5
｢…はぁ…お前ら…せめて勇者の前では落ち着かんか！｣
｢サーセンwww｣
｢あーもー！また負けたー！｣
｢強いねぇ〜｣
｢えあっ…助けて…！｣
｢やめてくださいっ、落ち着いてください！｣
｢嫌よ！お腹空いているの！｣
魔王が一喝しても、なかなか収まらない。
｢…まさか、これが日常茶飯事で？｣
｢そうなんだよ…｣
｢…俺が倒した幹部と四天王は？｣
｢あ、私が蘇らせて…というか死ぬ寸前で転移させてあたかも死んだかのように見せてました｣
そう答えたのはなんとか白髪の少女…ワイドを魔法で押さえつける、桃髪の少女…オシストであった。
｢えぇ…｣
｢スマンな、万が一に備えておきたかったから死なせる訳にはいかないんだ…｣
｢…最も、こうなることは初めから予想はできましたが…はぁ…｣
オシストが溜息をつく。
｢いや…とんだチートだな!?｣
｢そうですよチートですよ悪いですか？｣
｢…あいにくこちとら多少のチートがないと生きられないからなぁ…まぁ僕らは明らかに過剰だとは思うが｣
やれやれだと呟くマールド。
そんな彼に冷や汗を垂らしつつ、気を抜かないよう必死に自分に言い聞かせる。
しかし東矢の心は途轍もなく揺れに揺れていた。
訳が分からない。
一体この空間は何なのか。
思い返せば、彼ら一人一人と戦ったときから既におかしかった。
明らかに個性が強すぎるし、一人一人の能力がえげつないほど高い。
多少なりとも自分が強いという自覚はあった。
勇者として選ばれ、たった一人旅に出て、多くのモンスターを討伐する。
そのどれもが造作もないことであり、自身に与えられた力なのだと確信していた。
そして、その力を弱き人々の為に振るうとも考えていた。
しかし、今その意思は揺らいでいる。
本当に、目の前の彼らはその銃を向けるべき相手であるのだろうか。
｢…お前らは、何者だ？｣
かろうじて絞り出した、その質問。
｢…何者、ねぇ…｣
魔王はしばらく考えこみ…
こう言った。
｢…今を必死に生きる、たった一人の男、だな｣
一点の噓偽りない、本心からの言葉であったことは、東矢にも容易に伝わった。
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クロロフィル＠リーフィア狂/あるりーす(プロフ) - 朱欄さん» ありがとうございます！これからも更新頑張りますね！ (2023年1月14日 20時) (
レス) id: c1253398fc (このIDを非表示/違反報告)
朱欄(プロフ) - Banana is Kami(作品最高です!キャラデザがすごく好きです!特にワイドちゃんがかわいい←あ、星押しときますn(() (2023年1月14日 20時) (レス) @page3 id: efb6a7397d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：クロロフィル@深緑の指揮者 | 作者ホームページ：http
作成日時：2022年12月29日 21時
