不死鳥で独占欲の強い彼とオタクで冴えない彼女は：番外編 4

ちび夢主 24 ページ7

Aを連れて行かれてしまって
隊長は、さっきからずっとこの調子だ
ちなみに男共は全員、落ち込んでいる


「ベッジも元気出してよ・・
貴方の責任じゃないわ」


「・・・シフォン、俺は
・・・父親、失格だ・・・・」


「マリィ、ごめんよぉ・・・
・・・コラソン・・・ッ」


「ロシー・・・だ、大丈夫よ
きっと、何かの誤解だわ・・・
すぐに帰してもらえるわよ」


あの二人は容貌と雰囲気的に
堅気であることは間違いない
・・・私たちと一緒にいたから
巻き込まれちゃったんだ・・・・
ふぅ、と牢屋の壁に背をついて
ゆっくりと硬い床に座り込む

そしてふっと隣の隊長を見ると


「あ〜、隊長泣いてる〜」


「・・・・」


「ナース長、マルコ隊長がぐずってる〜」


「はぁ・・・もう・・・・」


ナース長は牢屋をこじ開けるのを
諦めたようで
カツカツ、とヒールを鳴らして
こちらに近づき、私の隣にすっと座る


「放っておきなさい、そんなオッサン」


「ひどーい」


「そんなことより・・・
今は、どうやってここから
脱出できるか、考えましょ」


ナース長は離れて座っていた
シフォンさんと、堅気の奥さんを呼ぶ


「貴方、名前は?」


「はい・・・マリィと申します」


「私はシフォンよ、よろしくね」


「は、はい・・・」


マリィさんは不安そうに
表情を強張らせる
そんな彼女を気遣ってかシフォンさんは


「大丈夫、子供たちは無事よ」


「そう、ですよね・・・」


「今は私たちで
できることをしましょう・・」


はい、と力強く彼女は頷く
一度、私は自分の中の脳を整理した
えーっと、相手は海楼石の霧を使ってて
この牢屋も海楼石製・・・
つまり能力者がいることが分かっていた
狙いは、明らかに隊長の首・・・
ベッジさんも手配書で見たことあるから
たぶん、彼も狙われてる、かな


「あ、そういえば私
ピッキング得意だった」


ふと思ったことを言った瞬間
ナース長に叩かれた


「いったぁーい!!!」


「早く言いなさいよッ!」


「うぇ〜ん・・・ナース長のバカぁ」


「いいから早く!
能力者共の鎖解いて!牢屋の鍵も!」


「多いよ〜」


「・・・・欲しがってたアイシャドウ
取り寄せてあげるから!」


「お安い御用で!ナース長!!」


やった〜、ブラウンカラーの
アイシャドウずっと欲しかったんだよね
髪留めに使っていたピンを取って
まずは隊長の鎖から解除する


しかしそれでも隊長は
落ち込んだままだった

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