不死鳥で独占欲の強い彼とオタクで冴えない彼女は：番外編 4

未来への話 6 ページ40

欠伸をしながら
ベッドから体を起こして
いつの間にか肩にかけてあった
彼の上着に腕を通した

ふと、時計を見て
早い時間に起きたことに気が付き
もう一度寝ようと彼の方を向く


「・・・・?」


仰向けに寝ている彼の寝顔を
じっくり観察しようと思ったら
マルコさんは眉間に皺を寄せて
苦しそうに布団を握りしめていた


「マルコさん・・・
・・・マルコさん!」


肩を叩いて起こすが
より一層苦しそうに顔をしかめる
汗の量も尋常じゃない
無理やりにでも、起こさなくちゃ


「マルコさん!起きて!」


肩をバシバシ、と強く叩くと
彼はハッと目を見開いて
勢いよく飛び起きた
マルコさんは起きるや否や
自分の手の平をじっと見つめる


「ウ・・・ッはぁ、はぁ・・・!」


「・・・マルコさん、悪い夢でも見た?」


横からそっと声をかけると
彼は私のことを、強く抱きしめた


「・・・A・・Aッ・・・」


「・・・・怖い夢を見たんだね」


彼の逞しい背中に手を回して
ぎゅうと私も抱きしめた

ぽんぽん、と彼の背中を優しく叩くと
鼻をすする音と
震えている呼吸音が聞こえた


「・・・大丈夫、大丈夫」


よほど怖い夢を見たのだろうか
彼は何も話すことはなく
ただ、私の体を
確かめるかのように抱きしめ続けた


背中をぽんぽん、と一定のリズムで
優しく叩いていると
彼はまた眠くなったようで
私を強く抱きしめたまま
ボスッ、とベッドに横になり
すーすー、と寝息を立て始めた

ふふ・・可愛い・・・
大きな赤ちゃんみたいで・・・

いつもの起床時間までには時間はある
このままもうひと眠りするか・・

・・・いや、またマルコさんが
魘されてしまうかもしれない
そのことが心配になり
彼の体に寄り添いながらも
眼は開けて、ぼーっと
窓から見える海の景色を眺めた



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「おかしい」


医務室でナースに
応急処置を教わっていると
唐突に彼女は顔をしかめながら
そう言い放った


「えぇえ?俺また間違えたか?」


「違くて!!」


ナースは用心深く
きょろきょろ、と部屋の中を
見渡しながら
ちょっと耳貸して、と俺に手招いた
大人しく彼女の方に耳を傾けると


「マルコ隊長と
Aのことだよ・・!」


「ンなことねぇって」


「エース隊長って鈍感ね!
だからモテないの!」


「ばばっばば、バーロー!!
俺だって本気を出せば・・
女や男の一人や二人!!」


「とにかくぅ!
あの二人なんかまた
ややこしいことになってそうなの!」


お、落ち着けって

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