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未来への話 2 ページ36

もう少しで終わるから
待っていてくれ、と言われたので
ベッドにごろんと寝転ぶ


「あぁ、そうだ・・
在庫数の確認ありがとうよぃ」


「いえいえ!気にしないでください
閉じこもってる間は暇だったので」


「ウッ」


マルコさんは海図を書く手を震わせる
慌てて私はごめんなさい、と謝った


「皮肉とかではないです!」


「・・・分かってる」


マルコさんは書く手を止め
私の方を向いて
くす、と笑いながら


「日中は暇だから仕事寄越せ、なんて
言われるとは思わなかった」


「あの時、マルコさん
ちょっと苛立ったでしょ」


「あぁ、コイツは今の状況
分かってんのかと思ったよぃ
・・体使えなくしてやろうかと・・」


「こ、怖いこと言わないで・・」


彼の不敵な笑みに、少し体が震えた

マルコさんは海図を書き終わったようで
ベッドに腰を下ろすと
寝転がる私に覆いかぶさる

私はゆっくりと目を閉じて
顔をマルコさんに寄せて
彼も私に寄って、互いの唇が重なり合う
ちゅ、と軽く唇を重ね、離れた後
目を開けて、彼の瞳を見つめた


「・・・ね、マルコさん」


「ん・・・?」


子供欲しいですか、と
聞こうとした瞬間

コンコンというノックの音と共に
隊員さんの呼ぶ声がしたので
私は慌ててベッドの上にある
毛布にくるんで隠れた

マルコさんは軽く舌打ちをした後
ゆっくりと歩いていき
隊員さんと何かを話し終えると
バタンと、扉が閉まる音がした


「出ておいで、A」


「はーい・・・」


少し照れながら、顔を出すと
彼も少し照れていて
互いに、あはは、と笑って誤魔化した


「悪い、何か言おうとしなかったか?」


後で、言えばいいかな・・・
そう思って、私は首を横に振って


「忘れちゃいました・・
後でまた、話しますよ」


「・・・・大丈夫か」


彼は表情を一変して
ベッドに腰を降ろし、心配そうに
私の体を優しく抱きしめてくれた


「うん、大丈夫・・・」


私も彼の体に体重を寄せて
そっと、逞しい腕を抱きしめる


「・・・・吐き気とか
何でもいい、体がおかしいと思ったら
遠慮なく話してくれよぃ」


「はいはい、心配性ですね」


「そりゃそうだろぃ・・!
そのクソ野郎は・・
・・避妊しなかったんだろ」


マルコさんは静かに怒りながら
ぎゅっと少し
私を抱きしめる力を強める


「・・・どんな理由であれ
産まれてくるのは俺の子だ
だから、一人で
抱え込まないでくれよぃ・・」


頼む、とまた抱きしめる力に
力が入ったような気がした

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ロモォコ - lemonade066さん» 何度もすみません!こちらが18金枠のURLでございます! https://uranai.nosv.org/u.php/novel/mayoneisis/?fr=first_url   今後ともよろしくお願いいたします!!  (2022年8月26日 23時) (レス) id: a0d4487acc (このIDを非表示/違反報告)
ロモォコ - わぁあぁああコメントありがとうございます!!すみません!18金枠のURLwoコメント欄に貼っておきますね! (2022年8月26日 23時) (レス) id: a0d4487acc (このIDを非表示/違反報告)
lemonade066(プロフ) - すごく良かったです!!18金枠はどうやったらみれますかね…! (2022年8月26日 16時) (レス) id: 66d7fc9173 (このIDを非表示/違反報告)
ロモォコ - あやさん» いつもありがとうございます!!本当に励みになっております!!これからもよろしくお願いいたします!! (2022年8月13日 23時) (レス) @page32 id: a0d4487acc (このIDを非表示/違反報告)
あや(プロフ) - 独占欲が最高すぎますねれなんか上手く言えないけど最高すぎる壊れ方です!愛してるからこそここまでなってしまう感じが良い!これからも応援してます (2022年8月5日 0時) (レス) id: 95a1685357 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ロモォコ | 作成日時:2022年4月12日 20時

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