不死鳥で独占欲の強い彼とオタクで冴えない彼女は：番外編 4

狂う 15 ページ27

食堂や医務室ではマルコが来る可能性が
あるというわけで、一番来なさそうな
エースの部屋に集まり、訳を話した

俺とナースから訳を聞いた
本船に残っているエースとサッチ
ジルにクリエルは
揃いも揃って頭を抱えてしまった


「はぁー・・・・
・・・どうすりゃいいんだよ
親父に止めてもらうか?」


「言えば止めてもらえるけどよ
根本的な解決にはならねぇよな?」


「最もなこと言いやがって」


エースは少し伸びた後ろ髪を掻きながら
照れくさそうに微笑んだ


「根本的な、解決かぁ・・・
Aに詳しい理由を聞かないと
それも考えられませんね・・・」


ナースの呟きに一同、ため息を零す
その通り、一番訳を知っているAは
今はマルコの巣の中にいる


「Aのことも考えると
親父に報告するのは、気が引ける」


「うんうん・・・・」


全員が眉を潜めて
どうしようかと考えていると
エースがあっと、声を上げる


「じゃあさ、マルコから
Aを攫っちまえばいいんじゃねぇか?」


「ばっか、お前!
そんなことしたら死人がでる!」


「同感、今のマルコは正気じゃない
俺だって首を締められたんだぞ」


「えー・・・」


エースがぶすくれていると
賛成、と一人だけ同調した者がいた


「私は賛成!
だってマルコ隊長は
正気じゃないんですよね?

だったら私たちが正気じゃ
意味がないじゃないですか!」


「そうだそうだ!」


エースとナースは自信満々に
えっへん、と鼻を高くして言うが
言葉の意味が伝わりにくく
俺たちは間をおいてやっと理解ができた


「・・・えっーと
それは、マルコが強引な手を
使っているから・・・
俺たちも強引な手を使うべきだ
ってことか?」


「そーそー!」


「いや分かりにくかった」


「えー!!?すっごい分かりやすかったでしょ!?
ね、エース隊長!」


「おう!!俺は分かってたぜ!」


「ほらぁ!」


若者たちがぎゃーぎゃーと騒ぐ中
俺たち老害は詳しい作戦を練る


「まずはマルコを部屋から誘き出すか」


「サッチとジルはだめだな
顔ですぐにバレちまう」


「め、面目ねぇ・・・」


「じゃあイゾウか、俺か・・・」


「俺も朝のことがある
警戒されてるはずだ」


「とすると、俺が囮だな」


クリエルが囮役として
マルコを外に出した後
最低2人がAを連れ去る
その案で話を続けていると
ナースとエースがはいっと手を上げ


「私ピッキング得意だから行く!」


「足早いから俺も!」


・・・・大丈夫か?
この二人で・・

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