不死鳥で独占欲の強い彼とオタクで冴えない彼女は：番外編 4

ちび夢主 31 ページ14

奴はフゥ、と息をついて
少し紅茶の香りを嗜んだ後
さて、と話を始めた


「そこの海賊共の首・・・
海軍に引き渡すつもりだったけど・・」


彼は俺とベッジの腕の中にいる
Aとペッツの顔を見て
諦めたような笑みを浮かべた


「・・そうね、この子たちは
貴方たちが大好きみたいだしィ・・
今回は危ない目にも遭わせちゃったしィ
・・・見逃してやるわよン、今日は」


「・・・見逃してやるってより」


「俺たちの海賊団と
白ひげ海賊団相手じゃ・・・
歯が立たないからだろ」


やっぱり、そう思うよな
ベッジが言うことが図星だったようで
奴は顔に分かりやすく動揺が出ていた


「ぎっくぅ、ば、バカん!!
そそそそ、そんなことないっつぅの!」


「すっごい滝汗だねぇ」


「やめてぇン、化粧落ちちゃうン!!」


奴は慌てて懐から化粧品を出して
ぽふぽふと、塗り重ねる
そんな奴に俺は、先ほどの
白いドラゴンのことを訪ねた


「さっきのドラゴンは
・・・捕まえてきたのかよぃ?」


「ンー?そうねぇン・・・
私がお店立ち上げて・・
こういう、海賊の子を奪う生業を
始めた頃に、空から飛んできたのよン」


どうやらその時は
攫われていた子供を保護したものの
実の親の居場所が分からず
このまま、海軍に行かせようか、と
悩んでいたところに現れたらしい


「あのドラゴンの息吹に
当てられた子供はねン・・・
その実の親の居場所が、白い息と共に
浮かび上がるのよぉ!
すっごいでしょ〜?」


「・・・なるほどな」


「で、閉じ込めてる訳ね」


「違うわよォ!!
アイツゥ、頭の中に直接話しかけて!
しばらく居てやるから、メシよこせって!
アタシ!!あーゆう上から目線の男!!
大っ嫌いなのよォ!!キィィィ!!

頭にキタから、檻の中に入れてやったの!」


「あ、あぁ、そう・・・
落ち着きなさいよ・・」


「落ち着いていられないわッ!
アイツ、アタシを振った奴に激似!!!
あの堅物マグマグ野郎〜〜〜!!」


何かのスイッチを入れてしまったようで
俺たちはベイベマスターの
振られた話を延々と聞かされた




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夕日が海に沈む時刻
無事にベイべマスターから解放されて
俺たちは共に帰路についた


「はー・・・なんだか・・・
安心した所為か、すごく
疲れちゃったなぁ・・・」


ロシーがしっかりと
眠っているコラソンを腕に抱きながら
乾いた笑いを零してそう呟いた

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