ちび夢主 12 ページ44
「やばいよぃ」
「ええ?嘘でしょ、アンタ」
「隊長太った?」
「太ってねぇよぃ」
「ご、ごめんなさい・・
基本的なサイズは
婦人用だからかしら・・?」
なんとか3人に手伝ってもらい
ギュウゥ、と紐を引っ張り
無理矢理腰に固定させて
台座の上にAを座らせた瞬間
ベチィン、と留め具が
派手に外れてしまった
「うああ"!?」
「Aー−!!大丈夫か!?
どこか怪我したかよぃ・・・?」
Aは泣いてはいないものの
驚いたまま、目をぱっちりと開けて
呆気に取られている様子だった
彼女に怪我がないか見てみたが
留め具は彼女に当たらなかったようで
ほっと一安心した
「やっぱり太りましたね?」
「幸せ太りって奴?
うわ、うっざ」
「何も言ってねぇだろうがよぃ」
それより、店の物を壊してしまった
留め具と本体を拾い上げて
「壊して悪かった、弁償するよぃ」
「いいのよ、気にしないで
新しいサンプルも手に入ったから」
「サ、サンプル・・・」
サラは少し照れくさそうに笑って
俺から壊れた代物を受け取る
「私、作るときに赤ちゃんを育てる人が
女性のイメージしかなかったの・・
恥ずかしいわ、そりゃそうよね
父親だって使う可能性はあるもの
ありがとう、隊長さん
参考にさせてもらうわね!」
なんだか礼を言われると
変な感じがするのだが
ここは素直に受け取っておこう
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Aに必要な物資を調達して
船へと帰り、昼食をとろうと食堂に入ると
いつもまばらにしか
料理が置いてなかったカウンターが
今日は小皿の料理で埋まっていた
「よし!帰って来たな!」
片手に何やら新品のレシピ本を持ち
はりきった様子のサッチは
目の中で炎を燃やしながら
席について、待ってろと言う
「作りすぎだろぃ・・・」
「だぁってよ!
離乳食って作ったことがねぇから
どれがAの口に合うか
色々試さなくちゃいけないだろ!」
「あぁう・・・」
サッチたち4番隊が用意したらしい
赤ん坊用のテーブル付きの椅子で大人しい彼女も
目の前に広がる料理に絶句している様子だった
呆気に取られているうちに
俺たちの目の前にコト、と料理が置かれた
「お前はいつもの
Aちゃんのはコレでちゅよ〜!
上手に食べられるかな〜?」
「まま・・・・」
「そうだぞぉ、まんまだぞぉ!」
「・・・ん?」
彼女を見守っていると
Aはこちらを見て
段々と涙目になっていった
これは、これは・・・!!
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作者名：ロモォコ | 作成日時：2021年12月23日 1時
