第三十三話 「守れる」 ページ33
ぐすんぐすんと後ろで啜り泣きながら歩く善逸くん。
こんなに泣いてる子を無理矢理連れて行くなんて酷い事するほど私は鬼じゃないので、少しでも元気になってくれればと宥めるように会話をした。
「てかさ、修行とかってほんと辛いよねぇ。どんだけ努力してるつもりでも、それが結果に出てくれなきゃまじやってらんねぇーって感じするし。」
善逸「…でもAちゃんは偉いよ…。俺みたいに、逃げ出さずにちゃんと向き合ってるし…」
「善逸くんも何だかんだ修行頑張ってるじゃん。」
善逸「それでも俺、全然強くなれないんだ…。いつも怒られて殴られてばっかだし…そのくせ逃げ出すし…」
「え、べつに逃げてもよくない？」
私の言葉に驚いたのか、え？と彼は短く声を発した。
「辛い事から逃げるにも勇気がいるからねぇ。逃げれる人は、それだけ勇気があるってことでしょ？それに善逸くんは、逃げ出してもこうやって最後には戻ってくるじゃん。」
私だって、前の自分だったら余裕で逃げてたよ。
それが言葉として出ていたのか心の中に閉まっておいたのか。
善逸くんの手を引きながら話す自分では分からないけど、彼の泣き顔や弱気な所が私の庇護欲を刺激したのは確かである。
「私さぁ、まだ刀握って数ヶ月だし、知識無いし？まじで全然強くないんだけど、これから善逸くんを守れるくらいには強くなるつもりだからさ。
それまで待っててよ。」
後ろを振り返って、涙で濡れた善逸くんの顔を見ながらそう言った。
まるでこれから先も一緒にいるかのような言い回しだと気付いた頃には、前方から慈悟郎さんが血相変えてこちらに向かってきていた。
慈悟郎「ぜぇえんんいぃいつァァ！！！」
ヒィッ！？と短い悲鳴をあげる善逸くん。
えめっちゃ殴りかかってくる勢いでこっち向かってくるじゃん
でも流石に今泣いてる子を殴らせるのはあまりにも心が痛むので、待って待って慈悟郎さん！と善逸くんを庇うように慈悟郎さんを止めた。
「いやなんかー善逸くん今日はちょっと具合悪かったみたいでー、でも今だいぶ良くなってきたんで！これから朝御飯だし、早く皆で居間に行きましょ！」
誰が聞いても絶対嘘やんとしかならないと思ってたけど、慈悟郎さんは察してくれたのか、怒らず殴らずでそのまま穏便に済んだ。
続く
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練紅愛(プロフ) - 通りすがり人さん» ありがとうございます！主人公ちゃんは自分なりにがんばって精進しますのでこれからも見守ってあげてください！！ (2019年8月27日 5時) (
レス) id: f3cbd92521 (このIDを非表示/違反報告)
通りすがり人 - 主人公の嫌がるけど一生懸命なところがとても好きです！！たまに一人で考えてゆっくり進めているのが凄いなと思います！！(修行) (2019年8月21日 18時) (レス) id: 0c71642d46 (このIDを非表示/違反報告)
練紅愛(プロフ) - 棒人間さん» ありがとうございます…！！そんな事言われたらめちゃめちゃ頑張りますよ…！マギはジャーファル推してます！超大好きです！ (2019年8月12日 16時) (レス) id: f3cbd92521 (このIDを非表示/違反報告)
棒人間 - ああ…何これ好き。設定が…話が…夢主が…私好みなんじゃ…すごく好きです。更新頑張って下さい！応援しています！それと名前からして、マギ知ってたりします？ (2019年8月11日 17時) (レス) id: 804948c577 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：のん | 作者ホームページ：
作成日時：2019年8月2日 4時
