文豪の世界の主役は我々だ！

第十七話：ウクレレ少年の正体とは ページ17

店から出て辺りの風景を少し眺めた後、棗と共にみかんゼリーが売っている店を目指して歩いていると、ギターケースのようなものを背負っている少年のような人物が横切ったので振り返り顔を確認するとその人物はイトウ兵長だった。
イトウ兵長は私達に気づくこともなく楽器屋に少しウキウキしているような雰囲気で入っていったので棗は不思議そうにその姿を眺めながら私に質問をしてきた。

｢どうして、彼奴はウキウキしてるんだ？」

｢確か、イトウ兵長はウクレレを楽器屋に預けてたんだよね」

｢それでか」

棗は納得したように頷くと改めてイトウ兵長が入っていった楽器屋をまじまじと見て

｢てか、彼奴がこんなヨコハマにある有名な楽器屋に行くとは意外だな」

｢ニュースとか見たんじゃないの？」

｢彼奴がニュース見るとか想像がつかない」

｢それ以前に彼奴はニュースを見るのか」

｢まぁ、確かにイメージしにくいよね」

彼がニュースを全くもって見てないという訳ではないとは思うが、正直言うと彼がニュースを見ている姿は安易には想像できず否定はしたいが私も棗と同じ意見なのでなんとも言えず棗に対して、苦笑いをして私もイトウ兵長が入っていった楽器屋を少し見ていると棗は興味が無くなったらしく足早に歩いて行ったので私も足早に棗の後を追って行った。

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