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荷物を持って、自分が使っていた練習室の外に出たら、その奥に薄っすらと灯りのついた練習室があった。
誰かが電気を消し忘れてしまったんだと思って、練習室に足を踏み入れる___つもりが、その瞬間誰かに腕を掴まれた。こんな遅い時間にもなれば、自分以外もう誰もいないと思っていたのにこの感覚は確実に“人”で悪寒が走る。
恐る恐る後ろを振り向けば、見慣れた顔があった。
JH「チャニ、行っちゃだめだよ」
DN「……ハニヒョン、心臓が止まるかと思いました…」
JH「ごめんごめん。驚かせるつもりはなかったんだけど」
自分の腕を掴んだ張本人であるヒョンは、そう言いながら、へらりと笑っていた。
DN「あ、でもヒョン、あの部屋の電気消さないと」
JH「だから行っちゃだめなんだよ。チャニ」
DN「行っちゃダメってなんでですか?」
JH「うん?お化けが出るんだよ」
DN「え」
JH「嘘だよ笑」
「ほら、おいで」とゆっくり扉の前に連れて行かれる。促されるように練習室を覗き込めば、部屋の角で座り込むスンチョリヒョンとその腕の中で丸くなるAを見つけた。
頭はしっかりとヒョンの胸に預けられていて、腕が回っているのに
お化けじゃなかったと安心するのと同時にその光景が不思議だと思った。Aがあんなに気を許しているのもそうだし、あのヒョンがあんなに穏やかな表情をしているのもそう。
DN「…あれ、スンチョリヒョン疲れないですか?」
JH「逆 逆。あれがないとスンチョラが死んじゃうから」
DN「…死んじゃう?」
ヒョンが?疲れるの間違いとかではなく?
いくら練習生の中で華奢な方であるAだとしても睡眠中の脱力状態ともなればそれなりの重さがあるはずで、それなのにそれがないと死ぬってどういうことなのか。
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柊(プロフ) - ぴょんさん» コメントありがとうございます。自分の文章にそう言ってもらえてすごく嬉しいです!こちらこそこれからもよろしくお願いします☺︎ (2022年9月26日 9時) (レス) id: 1c5041063e (このIDを非表示/違反報告)
ぴょん(プロフ) - すごく深みのある文章で、読み応えがあります。とても面白い小説を生み出して下さりありがとうございます。これからも更新楽しみにしております(><)♡ (2022年9月26日 0時) (レス) id: 0051795449 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:柊 | 作成日時:2022年9月23日 17時