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DN「それはもう何となく…じゃない?」
「そんなもの?」
DN「そんなものですよ。多分」
DN「ヒョンたちだってそんなに深く考えてないでしょうし、自分でも深く考えたことないし」
結局は、感覚、直感。多分そんなものだと思う。
さっきは丁度思った通りにホシヒョンがこっちに来てくれたけど、それこそウォヌヒョンが振り返ることだってある。
ここまで来たらこっちの意思とあっちの勘が繋がるのを待つしかない。いや、本当はちゃんと名前で呼べば済む話なんだろうけど、如何せん10人を超えるとなると頭に身体が追いつかない。
時々、孫の名前を上から辿っていくおばあちゃんみたいになってしまう。
DN「A」
「ん?」
DN「ううん?ただ呼んだだけ」
「?そっか」
DN「あ、そうだ。ヒョンに言うことあるんだった」
「そのヒョンは、スングァニ?」
DN「このヒョンは、スンチョリヒョンですー」
難しいなと言ってAが見つめたのは、話題の通りスンチョリヒョンのところだった。
Aからすればあまり深くは考えていないんだろうけど、それでもずっと見つめるものだから視線の先にいるヒョンが「なんだよ」と笑う。
今度は、その横にいたハニヒョンが「
「ディノや、ハニが呼んでるよ」
DN「あれはAだと思うよ」
「ハニの赤ちゃんはディノだよ」
DN「でも今、目が合ってるのAでしょ」
「あれ。本当だ」
手を振り返したAにジョンハニヒョンが少し目尻を下げる。
ああ、もしかしたらAがこのヒョン呼びの仕組みもジョンハニヒョンが言う「아기」の向かう先も理解できていないのなら、この人は何ひとつ気が付いていないのかもしれない。
DN「ねえ、A」
「ん?…ああ、また呼んだだけ?」
DN「うん。呼びたかっただけ」
___A、と周囲が呼ぶその声に
どれほどの感情が、愛情が込められているのかなんて。
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柊(プロフ) - ぴょんさん» コメントありがとうございます。自分の文章にそう言ってもらえてすごく嬉しいです!こちらこそこれからもよろしくお願いします☺︎ (2022年9月26日 9時) (レス) id: 1c5041063e (このIDを非表示/違反報告)
ぴょん(プロフ) - すごく深みのある文章で、読み応えがあります。とても面白い小説を生み出して下さりありがとうございます。これからも更新楽しみにしております(><)♡ (2022年9月26日 0時) (レス) id: 0051795449 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:柊 | 作成日時:2022年9月23日 17時