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いつもならこんなことはしないのに。
見慣れない光景に少し戸惑う。
別にAが普段確認していないとか、不真面目だとかそういうんじゃない。むしろAは誰よりも用意周到なタイプだから、会場入りして、リハーサルの時点で完璧にそれらを頭に入れている。
そして、前日はほとんど何もせずに眠る。基本的に仕事は家に持って帰らない主義。だから、今日みたいにホテルの部屋でまで確認していることが珍しかった。
DK｢A？」
｢うん？」
DK｢…大丈夫そう？」
｢全員、身体に鞭打ってでも出ようとしてるんだから自分も死んででも出るよ」
DK｢そういうことじゃなくて…、あと死んだら誰にも見えないよ」
｢嫌だなドギョマ冗談だよ」
今日３回目の冗談は、少しだけいつもと違っている気がした。
そんな自分の気付きを掻き消すようにボフッと音をたててAが後ろに倒れる。一瞬反動でベッドが沈んで、その拍子にAの足にテーピングの跡が見えた。
もちろんそれは全員どこかしらに施されている。それだけ負担が大きいことは事実だし、自分もAもそれはよく分かっている。
けど、両足首かあ…。そこまでは教えてもらえていないし、気付けなかった。
｢ソクミナ」
DK｢うん？」
｢スンチョラとジョンハナは、どこにいる？」
DK｢ヒョンたちは…、ちゃんと、休んでるよ」
｢そっか」
DK｢うん」
体調不良でツアーを一旦離脱した2人のヒョンたち。それを伝えられたときのAは、やっぱりなんてことない顔をしていた。ツアー中だから、普段より集中していたこともあったんだと思う。
２人が移動車に乗り込む前、クプスヒョンに頭を撫でられても「大丈夫」だとその手をやんわりと払って、ハニヒョンがAと額を合わせたときも「うん」としか言わなかった。正直、それを冷たいと思う人もいただろう。
なぜか自分はそれを横目でしか見ることができなかった。
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柊(プロフ) - ぴょんさん» コメントありがとうございます。自分の文章にそう言ってもらえてすごく嬉しいです！こちらこそこれからもよろしくお願いします☺︎ (2022年9月26日 9時) (
レス) id: 1c5041063e (このIDを非表示/違反報告)
ぴょん(プロフ) - すごく深みのある文章で、読み応えがあります。とても面白い小説を生み出して下さりありがとうございます。これからも更新楽しみにしております(><)♡ (2022年9月26日 0時) (レス) id: 0051795449 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：柊
| 作成日時：2022年9月23日 17時
