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もし、時間を巻き戻すことができたら何をしたいか。
そんな質問を真面目に考えたことがあった。どこでそれを聞かれたのか、見たのか。そこらへんはよく覚えていない。
答えなんて深い意味もなく、昨日に戻って美味しかったご飯をもう一度食べるとか、友達と喧嘩する前に戻るとか、簡単なことでよかったんだろうけど、そのときの自分はそんなことすら思い浮かばなかった。
MH｢Aってこのころからこの顔なんだ」
｢この顔って？」
MH｢このA！って感じの」
｢ああ、うん？」
MH｢綺麗な顔ってことだよ」
｢いきなりだな」
リビングで寛いでいた自分に見る？って突然ヒョンが持ってきたのはアルバムだった。それもAが映っている写真ばかりのアルバム。何でこんなものがあるのかと聞いたけど、返事は返ってこなかった。
A自身もこのアルバムの存在は知らなかったみたいで、これを見つけたときのAとバレた！と言わんばかりのヒョンの顔はしばらく忘れられないと思う。
アルバムの中のAは、今よりも少し幼かった。今は短く切り揃えてある髪の毛も結んでいたし、カメラに向かって思いっきりピースしている写真だってある。
今ではカメラを向けると逃げるのに。自分が知らないAの数年は、かなり大きい時間だったのだと実感する。
MH｢いきなりじゃないよ。いつも思ってる」
｢あー、ありがとう？」
MH｢どういたしまして」
MH｢これウジヒョン？」
｢ああ、そうだね」
MH｢こっちはクプスヒョン？」
｢そうそう。その後ろで疲れ切ってるのがスニョン」
｢ミョンホ？」
MH｢俺もこの頃からAに会いたかったなあと思って」
自分は、おそらくメンバーの中で1番Aと過ごした時間が短い。そもそも練習生になったのが遅かったから。
だから、Aの髪がこんな風に長かったころも知らないし、ふわっと微笑むのも知らない。今が笑っていないという訳じゃないけど、ここまで無邪気な笑い方はもうしていない気がするから。
｢なんで？」
MH｢なんか色々違ってた気がする」
｢色々？」
MH｢色々」
色々って何？とAが溢した笑いの中にあったのは、自分がいない時間だった。「これとか懐かしい」と動く指先を追っても残念ながら自分はいない。
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柊(プロフ) - ぴょんさん» コメントありがとうございます。自分の文章にそう言ってもらえてすごく嬉しいです！こちらこそこれからもよろしくお願いします☺︎ (2022年9月26日 9時) (
レス) id: 1c5041063e (このIDを非表示/違反報告)
ぴょん(プロフ) - すごく深みのある文章で、読み応えがあります。とても面白い小説を生み出して下さりありがとうございます。これからも更新楽しみにしております(><)♡ (2022年9月26日 0時) (レス) id: 0051795449 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：柊
| 作成日時：2022年9月23日 17時
