【赤羽業】私は……妖狐

妖4 ページ6

赤羽side

ドアノブを回そうとした時見付けた扉の一歩手前にある植木鉢に何度も埋め掘りされた感じの乾燥土

違和感

何かの種とか植えて育てんなら掘り返した後がある訳ないし…

鉢を持ち上げると下に鍵発見

あ〜そういう事ね

持ち上げた鉢を引っくり返せば土と供に落ちて来た鍵

鍵を拾いポケットに入れ慎重にドアノブを回し鉄のドアを開けた途端 俺は思わず息を呑んだ





白銀に少し青みが掛かった髪




ルビー色の瞳に
ミニスカートの様な袴



ぶっちゃけ､綺麗としか思わない


『だれ…?』


彼女は､赤く綺麗な目に涙を溜め呂律の廻ってない声で少し､脅えた様に訊いて来た

その姿は何かｸﾞｯと来る物があって＿＿＿…






俺は今迄異性の人に惚れるとか､絶対とは言い切れないけど“有り得ない”って思ってた

前原に惚れる奴等もだけど、あんな色んな奴と付き合ってる前原何てもう論外




``理解し難い存在´´




その言葉がピッタリ





けど､今何か分かった




泣いてる子を見てｸﾞｯと来るとか
我ながら最低だと思う




でも､泣いてる彼女がとても可愛くて、俺が泣かして、その後とびっきり甘やかしてやりたい




多分､一目惚れってやつ

口から笑いが出て来る


「何?アンタ此処に閉じ込められてるの?」


部屋に入りながら訊けば彼女は少し距離を取りつつ『…はい』と返事

警戒されてるってのが判る

彼女が動く度に聞こえるｼﾞｬﾗって音

ｼﾞｬﾗ?

不審感を抱き音がした方を見れば女の子の足には鉄球の足枷

鉄球が着いてる方の足からは血が垂れてる

良く見なくても女の子の彼方此方に血が滲み所々内出血されてて痛々しい


「…酷い事するね」


て､ゆーか彼女がされてるのって刑法第220条に引っ掛かるんじゃない?それとも彼女は人間じゃないから引っ掛かんないって考えとか?つか女の子が閉じ込められてる事にも気付かないでいるとかホント社会役立たずだよね

溜息を吐けば肩を上下に揺らす彼女

色々考えるのを中断して「此処から出してあげよっか?」と訊けば女の子が目を見開く


「此処から出たいんでしょ?」


じゃなきゃあんな消え入りそうな声で助けて何て言わないだろうし

徐ろに彼女が頷いた時「おい!!ドアが開いてるぞ!!」って男の声

見回りの奴か


「逃げるよ」


至急彼女を抱き上げる
俗に言うお姫様抱っこ


「服に掴まってて」


彼女は言われた通り少し遠慮気味に服を掴む



あ〜自分でやっといてアレだけどこの体勢ちょっとヤバいかも

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