【赤羽業】私は……妖狐

妖2 ページ4

赤羽side

真夜中

適当に歩き其処等辺に居た優しいオニーサン達からお小遣いを貰ってたら眠気が来､欠伸を溢す

多分今日来た転校生イトナ君の騒動と放課後訓練で疲れたんだろう


「さてと…オニーサン達から結構お小遣い貰ったしそろそろ帰ろっかな」


“助…けて…”

踵を返した時頭に響いた弱々しい声


「ｯ?!」


慌て辺りを見渡すも弱ってる奴何て見えないし抑人が居ない

警戒

警戒しても倒れてるオニーサン達が目覚める気配無し

“助けて”

さっきの頭内に響いた声が…言葉が…何回も脳内にリピートされる

誰…?

一歩､家とは真逆の方に歩いてみれば声が少し大きくなった気がする

また一歩歩いて確信

一歩歩く毎に少しずつ声が大きくなってる…

“好奇心”が”警戒”を上回る

＊

気付いたら俺は走ってて､辿り着いた先は…


「は…?神…社…?」


あれ?確かこの神社って…"獣耳が這えてる人間が居る"って噂の…

石段を登り鳥井を潜る

辺りを見渡しても何の変哲も無い普通の神社

賽銭箱の所や御守り売ってる所､様々な所を確認したけど変わってる所何て無い

いつの間にか“声”も無くなってたし

…帰ろ


「…ん?」


再度鳥井を潜ろうとして気付く

鳥井の少し手前の右側に小路ッポイのがある

気になり近付いて見てみると足跡

落ちてた石で足跡を軽く小突いてみると少しｸﾞﾆｬｯと形を歪ませた

完璧に固まってなく歪むって事は2､3時間前に付いたまだ新しい足跡だと判る

日付が変わる前の昼かなり雨降ってたから地面が泥濘んで足跡付いたんだろうね〜

見付けたなら行ってみなきゃと再び好奇心が湧き出る

誰だって神社の端っこの方に軽い林状態でこんな大人1人通れるか通れないかの小道見付けたら行ってみたくなるよね

俺は立ち上がり､小道に足を踏み入れた

＊

小道を抜けた先は思いの外広くてビックリ

割と広いのにある物は鉄製扉の倉庫みたいのと鎌や斧､鍬等神社に不釣り合いの物だけ

物置があるのは特に引っ掛からないけど…その物置の扉が不釣り合いな鉄ってのが気になる

鉄製扉の真ん前迄来､耳を澄ませば微かに誰かが啜り泣く音

鉄製扉や倉庫の壁には傷跡や窪み

それで以て啜り泣く音

誰かが閉じ込められてる可能性がかなり高い

んだけど…

扉の鍵穴に違和感

誰かを閉じ込めてるなら何度も鍵穴に鍵を差し抜きちょっとは鍵穴に傷が付く筈なのにこの鍵穴には傷がない

つまり鍵をしたのは片手で数えれる位しか無いって事



…用心して開けなきゃ

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