【赤羽業】私は……妖狐

妖25 ページ27

維波side

「んじゃ、先ずは`あ´からね」


「これ見ながらで良いから書いてみて」と､渡されたのは赤羽様が態々大きく書いて下さった御手本

試しに真似てはみる物の曲線の所が難しく、書けない

この“えんぴつ”と云う物も書けない理由に入ってますけど…取り敢えずもう一度…

えんぴつを持ち直しノートのマスに書いてく


「A」

『…？…ｯ?!』


練習中､赤羽様に呼ばれ
返事をしかけた際

何が起こったのか判らず
脳が停止

や…､え……?

停止した脳を無理矢理起動させ
状況把握に専念



先程迄、隣に立ってた赤羽様が
今は背凭れ越しに真後ろにいる

其処迄は理解出来た

けど…



…何で私…赤羽様に抱き締められてる…の…？


『赤羽様、練習中に図体がデカく態度もデカい大蛇の如くベタベタ張り付くの止めて下さい』

「うん?…あぁ､ごめんね｡頑張ってるAちゃん見てたら邪魔したくなっちゃった」


赤羽様は､笑顔でそう仰ってから
「練習､してて良いんだよ?」と加え、

耳を触る


『ｯ?!』


指先で､耳の付け根を
なぞられた感覚



一瞬で身体中に電流が走り
手からペンを落とす


「？A?」

『何でも…ないです…』


今のは、偶々

赤羽様の指先が､意図せず偶々当たっただけ

意図せず当たっただけなら､二度はない

即ち、気付かない

それなのに…


『ﾐﾆｬｯ?!』

「ははッ。かぁわい〜」


何で…気付いたんだろう…?

ケタケタ笑ってる赤羽様を睨むと「狐じゃなくて猫みたいだね〜」と､何故か嬉しそうに言う赤羽様

何がそんなに嬉しいのか判らず
首を傾げる


「訳判んないってカオしてるけど可愛い女の子の獣耳姿は全人類､主に男の夢何だよ?」

『夢?』


聞き返せば赤羽様は「寧ろんな夢を持ってない奴は人間じゃないと言っても過言じゃない」と


「Aちゃんがコレを着てくれたら完璧何だけどね?」


何故か後ろに疑問符を付け、
赤羽様が取り出したのは確か…


『メイド服、ですか?』

「そっそっ。メイド服」


昨日着た白黒の変な衣

何処から取り出したのか気になってれば赤羽様は少しの間を置き「此方ではね､男と2人きりの時女はこの服を着る決まり何だよ」と教えて下さる


『そう何…ですか?では私は今全力で決まりを…教えて下さりありがとう御座います。着替えて来ますね。御部屋､お借りします』

「ぇ…」


何かﾎﾟｹｯとしてる赤羽様からメイド服を受け取り2階へ



知らなかった事を然り気無く教えて下さる赤羽様、良い人

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