【赤羽業】私は……妖狐

妖23 ページ25

維波side

「そ れ で ？包丁持ってたのは趣味で､顔見られたくない＋人見知りだから覆面被って､丁度喉渇いたからお茶に誘った､と?何その思考。馬鹿なの?」

『ごめんなさぃ…』

「しかも狐になれるってナニ?何でそういう事言わないの?」

『ぇ…訊かれませんでしたので…』


先程､壁に追い込まれた状況を､文字通り狐になり打破

迄は良かったけど同じ家内に居る赤羽様から逃げれる訳もなく､現在私が床に正座し赤羽様がソファーに座り足を組み御説教


『あの…赤羽様』

「…何?」

『その…ドロボーって…何ですか?』


赤羽様の御説教にちょくちょく出て来た“ドロボー”って単語

気になり訊ねてみると赤羽様が深い溜息


「泥棒って云うのは､人の物を盗む事」

『人の物を…ってそれ窃盗じゃないですか?!』

「泥棒は知らなくて窃盗は知ってるんだ…。…………まさかとは思うけど“犯罪”を知らない何て言わないよね?」


確認の様な赤羽様の質問

言ったら怒られるかな…?

少々考えてれば頬に当たる赤羽様の指先


『あの…?』


意図が判らず首を少し傾げると赤羽様はクスッと笑い「犯罪は悪い事」って簡単に説明


『悪い事……あの目付の悪い方がやってた事もいけない事何ですか?!』

「そっそ。まあ?あんな堂々とやって来た泥棒を?のうのうと家に招き入れるのは?Aチャン位だと思うけど?」

『みﾞｯ!!』


頬に触れてた赤羽様の指が動き､両頬を抓られた


「しかも知らない男に膝迄貸しちゃってさぁ」

『ｯ!!』


指先の力が強まった為痛みも強まる

痛ぃ…けど…私から悪い人を招き入れたのは事実…だから…

声を押し殺し痛みを我慢してたら赤羽様が軽く息を吐き「まぁ良いや」と言い頬から指を離す


「おバカなAチャンにオシオキするから」

『…ぇ…?』


急に赤羽様の顔が呆れや怒りから悪魔の顔に変化

「まさか説教と頬を軽く抓っただけで許して貰えると思ってたの?」って赤羽様の言葉に何でか鳥肌が立つ

鳥肌が立った所を擦ってたら思い出す


『あ､言い渡された家内のお掃除は済ましときました』

「え?あぁごめんありがとう」


軽く頭を撫でられ
気持ち良く､目を細める


「感謝はするけどオシオキ軽くしたりしないからね?」

『赤羽様､御腹､空きませんか?』


『何か作りますよ?』と加えれば赤羽様は深く溜息


「Aってさぁ…」

『？はい』


先を待ってたら赤羽様は「やっぱ良いや」とだけ言い再び溜息



言いたい事あるなら言って欲しいな…

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