【赤羽業】私は……妖狐

妖12 ページ14

維波side

“着ける物、取って来るから待ってて”


そう言われソファーと云う物に腰掛けて数十分

2階からは何か騒がしい音

物が落ちる音と…これは…発砲音…?何やってるんだろ…

見に行きたいけど待っててと言われたので見に行けない

ちょっと、もどかしい

少々はしたないけど足を交互にプラプラ

一定のリズムでプラプラさせ､目を瞑り､前､人の子が歌ってた歌を口ずさむ


「A?」


目を瞑り口ずさんで中盤ら辺

名前を呼ばれ目を開けば苦笑を浮かべてる赤羽様


「何でクリスマスの歌歌ってんの?」

『クリス…マス…?』


聞き覚えはあるけど意味は分からない単語に首を傾げる


『クリスマスとは…何ですか?』


訊ねると赤羽様は軽く目を見開き「ぇ?何?クリスマス知らないの?」と返して来た


『な、名前しか知らないです…』

「あ、名前は知ってるんだ」


意外そうにした後赤羽様は私の隣に腰を下ろす


『あの…赤羽様、距離が…近い…です…』


赤羽様を手で押し退くのは失礼なので出来る限り身を傾け赤羽様から距離を取る

にも構わず赤羽様は更に近付いて来るのでソファーから立ち自分から距離を…


『ﾜｯ…』


御腹に赤羽様の腕が廻って強制的に赤羽様の膝の上に座らされた


『は､離して下さい』

「クリスマスと言うのは＿＿＿＿」


私の御願いを無視して耳元でクリスマスの説明をし始める赤羽様

その為クリスマスと言う物の説明に集中出来ず結局何なのか分からない


「分かった?」


態となのか、そうじゃないのか、確かめて来る赤羽様に首を横に振る


「へぇ。分からなかったんだ〜」


後ろで、赤羽様がニヤッと笑った気がした


「ぜ〜ったい分かる様説明して“あげてた”のに聞いてなかったの〜?」


赤羽様が"あげてた"を強調し舐めてる口調で訊いて来た為絶対態とだと云う事が判る


「人の話を聞いてない悪い子には〜…」


赤羽様は少し溜めた後「なぁにしよっかな〜」何て音符を飛ばしてるし何されるんだろう…


『赤羽様、ごめんなさい』


何となく、此の儘捕まってちゃ危険な気がし､予め謝り赤羽様の手の甲を抓る

仮令ちょっとしか痛くなくても痛みと突然された驚きで力が緩む筈だから…


「い"」


予想通り、力が少し緩んだ隙に赤羽様の腕の中から脱出

やった…

少しだけミッションをクリアした気になり小さくガッツポーズ

喜んでれば「Aチャ〜ン?」と、ワントーン落としてる赤羽様の声



な、何か赤羽様に何かの角と尻尾が見える…

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