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部屋に戻ると、死神は無言で私に手を差し伸べた。私はそれを握った。相変わらずどこかへ連れていかれる訳では無いようだったが、手を握られていると、静かに命を取り込まれているように感じた。

「何か心残りは?」
「……母さんは、私がいなくなったらどうするんだろう」

彼は少し笑った。私が愚かな子供であるかのように、彼はゆっくりと聞いた。

「悲しまないと思うか?貴方は、悲しまない方が幸せなのか?」
「……」
「……そうだな、じゃあ、貴方の心残りがないようにしようか」

彼は私の手を引いて、ベッドへと連れていった。
私はそれに大人しく従って、すとんとベッドに腰を下ろす。

「貴方の母親は一度は悲しむ。しかし3年後には再婚して、相手の連れ子を本当の娘のように可愛がる。貴方が死んだことは辛くても、そこからまた幸せな家庭を築いていける」

もしかすると、と彼は私の顔を覗き込んだ。
夜空色の瞳がじっと私を見つめる。観察するような、気遣うような。

「今よりも幸せかもしれない。彼女は今ほど必死に働かなくてもよくなるし、悩みを相談できる伴侶がいる。庇護対象である貴方に相談できなかったことも、夫にならできる」

「新しい娘は貴方ほど学校の成績が良いわけじゃないが、料理をすることが好きだ。貴方が過ごしていたよりも長い時間を、母親と一緒に過ごすことになるだろう。母親はゆっくりと悲しみを忘れていく」

「……泣かないでくれ。貴方の大切な人が幸せになるのに、それが嫌なのか?」

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Niko(プロフ) - フォローさせていただきました......!こちらこそよろしくお願いします! (8月20日 18時) (レス) id: f73d5be156 (このIDを非表示/違反報告)
餅屋(プロフ) - Nikoさん» 作りました!きっかけを頂きありがとうございます!ご負担になった場合はフォロー外して頂いて構いません。よろしくお願いします! (8月20日 15時) (レス) id: 51ef15773f (このIDを非表示/違反報告)
Niko(プロフ) - 返信ありがとうございます、嬉しくて泣きそうです!もしアカウントをお作りいただけるのでしたら本当に嬉しいです......! (8月20日 13時) (レス) id: f73d5be156 (このIDを非表示/違反報告)
餅屋(プロフ) - Nikoさん» 無視して頂いて大丈夫です。もし需要があるようでしたらアカウントを開設します。いつも作品を読んで頂いて本当にありがとうございます。 (8月20日 3時) (レス) id: 51ef15773f (このIDを非表示/違反報告)
餅屋(プロフ) - Nikoさん» 良いかと思います。ただ、最新の物語が一番好きでいらっしゃるという貴方のような奇特な性癖の方(すみません)を、正直に申し上げますと逃すのは惜しいため、新しくアカウントを開設した場合に繋がらせて頂くことは可能でしょうか?ご気分を害してしまったようでしたら (8月20日 3時) (レス) id: 51ef15773f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:餅屋 | 作者ホームページ:http  
作成日時:2014年3月18日 18時

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