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その後男は消えた。暑さのあまりに見た幻覚かと思ったが、やたらと明瞭で気分が悪かった。
帰ってきた母親にそれを話すことはしなかった。心配されてしまうだろうからだ。
次の日の朝、私はいつものように行ってきますと言って家を出た。外はジリジリと暑かった。
もうすぐ中学は夏休みに入る。どうせ補習はあるのだが、やはり夏休みは嬉しいものらしく、学校全体がどこか浮かれている。
建付けの悪いドアを動かして教室に入ると、奇妙な視線を感じた。
……好奇心のような、侮蔑のような。
「よく平気な顔して学校来れるよね」
ぼそりと聞こえたその言葉に、私は背筋が冷えるような感覚を覚える。自分が何をしたのか心当たりが無かったが、明確な悪意が自分に向けられている。
「……何が？」
声を振り絞って、私は自分に悪意を向けた女子に声をかける。
「親友の彼氏奪っておいて知らないフリ？」
咄嗟に親友の席を見ると、彼女はまだ来ておらず、席は空だった。
「何の話か本当にわかんないんだけど」
「昨日ラインが来たの。あんたに彼氏とられたって」
何故見てもいないことをこうも簡単に信じるのだろう。目の前の女子の愚かしさとやたらと正義ぶった口ぶりに苛立ちながら、しかし私は疑問に思う。
私の親友はそんな嘘をつかない。だからこそ噂はここまで信憑性を持っている。
「すごい落ち込んでる文面だったから、絶対泣いてたよ。親友の彼氏とるってどういう神経してんの？」
「とってないよ」
「じゃああの子が嘘ついてるってこと？」
自分が相談を受けた、という優越感の上でのこちらへの悪意に、そうなんじゃない？と適当に返そうとして、私は目の端に動く大きな影を見た。
……何かが、上から落ちて窓を横切るのを。
…………助けを求めるような、目を見開いた逆さの親友の顔を。
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Niko(プロフ) - フォローさせていただきました......！こちらこそよろしくお願いします！ (8月20日 18時) (
レス) id: f73d5be156 (このIDを非表示/違反報告)
餅屋(プロフ) - Nikoさん» 作りました！きっかけを頂きありがとうございます！ご負担になった場合はフォロー外して頂いて構いません。よろしくお願いします！ (8月20日 15時) (レス) id: 51ef15773f (このIDを非表示/違反報告)
Niko(プロフ) - 返信ありがとうございます、嬉しくて泣きそうです！もしアカウントをお作りいただけるのでしたら本当に嬉しいです......！ (8月20日 13時) (レス) id: f73d5be156 (このIDを非表示/違反報告)
餅屋(プロフ) - Nikoさん» 無視して頂いて大丈夫です。もし需要があるようでしたらアカウントを開設します。いつも作品を読んで頂いて本当にありがとうございます。 (8月20日 3時) (レス) id: 51ef15773f (このIDを非表示/違反報告)
餅屋(プロフ) - Nikoさん» 良いかと思います。ただ、最新の物語が一番好きでいらっしゃるという貴方のような奇特な性癖の方(すみません)を、正直に申し上げますと逃すのは惜しいため、新しくアカウントを開設した場合に繋がらせて頂くことは可能でしょうか？ご気分を害してしまったようでしたら (8月20日 3時) (レス) id: 51ef15773f (このIDを非表示/違反報告)
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