エピローグ ページ14
目を開いた。
ベッドから降りて、カーテンを開けた。
いつも通りの朝。
欠伸をして、部屋を出る。
「おはよう。朝ごはん、用意してあるからね」
私は、ぼんやりと彼女を見つめた。
お母さんを見つめた。
「母さん、海に行くの、楽しみだね」
「そうね。でも宿題を先に片付けなきゃね」
「ふふ、もう大体終わってるんだ」
「あら、えらい。じゃあ母さんも仕事頑張らなきゃ」
風鈴が、涼し気な音を立てた。
「何か、忘れてる気がするんだけど」
「絵日記とかじゃない?」
「小学生じゃないんだから」
私のその言葉に笑ったお母さんは、ふと考えるような素振りをした。
「リビングの花瓶に、白い花があったけど、あれあんたのやつ?」
「……多分違うと思うけど、見てみるよ」
「母さん好みの花なんだけど、生けた記憶はないのよね。……うわっ、遅刻!」
慌ただしい足音を聞きながら、私は階段を下りて、リビングに行った。
窓辺では白い花が揺れていた。
私はその花にそっと触れる。
風が私の横を優しく吹き抜けていった。
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Niko(プロフ) - フォローさせていただきました......!こちらこそよろしくお願いします! (8月20日 18時) (レス) id: f73d5be156 (このIDを非表示/違反報告)
餅屋(プロフ) - Nikoさん» 作りました!きっかけを頂きありがとうございます!ご負担になった場合はフォロー外して頂いて構いません。よろしくお願いします! (8月20日 15時) (レス) id: 51ef15773f (このIDを非表示/違反報告)
Niko(プロフ) - 返信ありがとうございます、嬉しくて泣きそうです!もしアカウントをお作りいただけるのでしたら本当に嬉しいです......! (8月20日 13時) (レス) id: f73d5be156 (このIDを非表示/違反報告)
餅屋(プロフ) - Nikoさん» 無視して頂いて大丈夫です。もし需要があるようでしたらアカウントを開設します。いつも作品を読んで頂いて本当にありがとうございます。 (8月20日 3時) (レス) id: 51ef15773f (このIDを非表示/違反報告)
餅屋(プロフ) - Nikoさん» 良いかと思います。ただ、最新の物語が一番好きでいらっしゃるという貴方のような奇特な性癖の方(すみません)を、正直に申し上げますと逃すのは惜しいため、新しくアカウントを開設した場合に繋がらせて頂くことは可能でしょうか?ご気分を害してしまったようでしたら (8月20日 3時) (レス) id: 51ef15773f (このIDを非表示/違反報告)
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