本当のシンデレラ (ページ5)

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絶望ページ5

役がない私の仕事は、大道具や小道具を作ること。技術科教師にして顧問の大橋先生は、五十代のオジサンだ。桃子も、役がない。私と桃子は、制作現場の金工室に入る。最初に作るのは、シンデレラの家のセットだ。背景、テーブル、椅子など家具は出来るだけ軽く作って、運びやすくするそうだ。
「いいですか、運びやすくするには、軽く作るのが大事なんです。私が運ぶんですから、重くしたくないでしょう。」
大橋先生は、勝手な事を言っている。先輩方もみんな、大橋先生が嫌いだ。そんな大橋先生と、桃子と三人で作業？役ももらえず、放課後毎日こいつと？そんなの不公平だ。私はオーディションのとき、絶対先輩よりいい演技をした。なのに、先輩は『最後の大会だから』という理由だけで選ばれた。ただの出来レースだったんだ。

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