人外×少女 【ジュリウス】<共作> ページ7
光の一筋、柔らかなシーツに降り注ぐ。
照らした先は密着した男女だった。もう少し言うならば人外と少女。
少女は状況が分からないまま、人外に身を委ねていた。
一方、人外は少女の首に噛み付き、赤い液を垂らしてすする。
その姿は紛れもなく吸血鬼だった。
後ろから少女の首に吸血鬼の手がまわる。
そのまま鎖骨まで撫でると短く悲鳴をあげる。
恐ろしく滑らかな肌は吸血鬼の欲をかりたてた。
『ジュリ..ウス、さ』
「っは、想像以上だ。君はずっとここにいるといい」
行く宛などないのだろう、と付け加えると少女は俯いた。
うなじを隠していた髪がはらりと落ちて赤い跡が露になる。
やや赤くなったうなじを見て、人外は征服感と高揚を感じる。
『みんなのとこ、行かなきゃ..』
少女の話す皆は隣の小屋にいた。少女は優しい皆に会いたがる。
しかし応答もせず吸血鬼は少女を抱き締めた。
これで17年生きていた少女。自分は何年生きただろう。
自問自答して出た答えで気付いた。
それは人間の少ない時間を自分がまるで支配しているようなこと。
小刻みに少女は震えて吸血鬼は初めて罪悪感を覚えた。
「お前が愛した皆はもういない。」
『え?』
少女は目を見開く。ゆっくりとこちらを向いた瞳には涙が浮かんでいた。
少女だけを自分の傍に置いておきたかった。他の輩なんて要らなかった。
特別な感情を抱いたと同時に秩序を破り、他の奴らを処分してしまったことで秩序を破った。
つまりあの小屋は今、血だらけである。
潤んだ瞳が正面を向くとさすがに抑えられなくなっていた。
________どうか神よ、自分は悪だ。
________しかしこの生涯味わうことの無かった高揚を許してくれないか。
弱い光が差すベッドに強く押し付ける。
手首にに爪をたてて、青くなるほど締め、苦痛な表情を伺う。
これはいい。
相手が人間の方がよっぽど素晴らしい。そのまま唇に触れ、首筋ををかむ。
これまで以上に強く、痛く。
『っ...!!』
「いけないな、これは。」
逃げようとする少女の腕を掴んで再びかむ。
ボタッと一滴の血が滴り、シーツを汚した。微かに香る鉄の匂い、もう一度押し付ける。
全くこちらを受け入れない。
「愛してくれる奴がいないのなら、」
人外と少女、力の差は大きい。
まして武器も護身術も持たない少女は吸血鬼に殺されようが汚されようが言いなりだ。
「俺が愛してやる。ここで。ずっと。墓場まで。」
少女の目に光はない。
知らなくていい。 【テルオミ】→←味方か敵か 【ギルバート】
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ルーネスガルディン - 死神のシャルロットだ。、、、此処は? (2016年6月13日 12時) (レス) id: e3be47b955 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:白い屈み | 作成日時:2015年8月18日 15時