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いっぱい食べる君が好き【男主】 【ナナ】 ページ28

文系である自分は本当に理数系が苦手なことを思い知らされた。
地獄の数学が終わってしまえばこちらのものだ、と授業にも追い付けなかったのに
やりきった表情でノートを閉じた。まだ黒板にのこる今日の授業を振り返る。



ため息が出るだけだった。

数学B分野の確率変数の公式はメールによく見る顔文字の一部が使われている。
そのせいか、それな、と言われているような気がした。


次は日本史だ大好きな日本史、大塚先生大好き、と言い聞かせながらロッカーへ行こうとした。
だが振り向く途中に見えた隣の女子、一際目立つ髪の香月さんはおにぎりを美味しそうに食していた。
あっという間に食べたのは数学の後だからか、と自分も玄米ブランを出す。
袋を開けると微かにレーズンの香りがした。
食べようとしたが隣からのガサガサという音に気を取られて視線を移す。



あろうことか、彼女は焼きそばパンを食べ始めていた。

『嘘だ』

突発的な言葉にハッとして口を押さえる。

この年齢の女子は大抵自身の体重を気にしている。
が、彼女は全くそんな素振りを見せない。と思っている内にパンは姿を消していた。


僕が見ていたのが悪かったんだろう、

「どうしたの?あ、Aくんもお腹空いた?」
『えっ、い、や僕には玄米ブランがあるから…』

よく食べるね、とは言わない、言えない。彼女も気にしているかもしれない。
ここはひとつ、表現を変えてみる。


『香月さんって細いのにその体のどこにはいってんの?』

僕の質問に首を傾げる。その時に揺れた髪に気をとられた。

「んーだってお腹空いてしまうのは仕方ないよ。無理して食べなかったら悲しくなっちゃう。
 それに、お母さんのつくるものは本当に美味しいの!!」

と小さなバッグから出てきたのは溢れんばかりのパン。
これが企業のものではない。香月さんのお母さんが作ったものだった。
玄米ブランは美味しい、だけど少し寂しかったのはこのせいかな。


「わたしね、ちょっと心配だったんだ。いつも君のお弁当や間食はコンビニとかのじゃん。
 だ、か、ら!」

いっぱい食べる君が好き【男主】 【ナナ】→←盲目の君に 【コウタ】《共作》



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ルーネスガルディン - 死神のシャルロットだ。、、、此処は? (2016年6月13日 12時) (レス) id: e3be47b955 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:白い屈み | 作成日時:2015年8月18日 15時

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