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また消えた 【ジュリウス】2 ページ21

「見付けた。」
「まさかこんなに時間が掛かるとは思わなかった。」
「自ら出てくるなんて感心する。」

落ち着いた声の主。月が動いてその顔が、見えた。


影は美しかった。

薄い琥珀のような髪、真っ白な肌に、整った顔。彼が本当に祟り神なのだろうか。
そんな中、放たれる気迫からして私は確信した。

『子供たちを、返してっ』

第一声が悲鳴じゃなくてよかった。と今更ながら思う。
そして、今更ながら後退したい気持ちが強く働いた。



「ずっと昔から君を。君を。山奥から見ていた。」

話を聞かない大きな影はじりじりと私との距離を縮める。


「田舎の子供は我々にとって最高の獲物だ。未熟な肉は柔らかくて絶品だ。」

自然の香りもする、と表情を変えずに言う。
近くにあったそれなりに太い枝を向ける。箒より扱いやすいはずだが、まるで効かない。
「しかしもっと極上なのは、」
指が触れただけで、枝は、塵と化した。

「未熟ながらも大人の肉体になりつつある途上の子供、かつ女性。」

私は、村で最年長の子供である。齢は、十六だ。


「君はその鑑だ。」

重畳の至り、と耳許で囁く。冷気と霊気を感じて震えは増す一方だ。
呼吸が出来ない。
もしかすると、自分がどうなるのか分かってるのかもしれない。
殺されるか、食べられるか、はたまたそれ以外か。
全身の血の気が引く感じがして、意識が飛びそうだ。

影は嬉しそうに目を細める。


最後に、
「今日まで好み通りに育ってくれてありがとう」
と聞こえた。

いつもと違う君 【ギル】→←また消えた 【ジュリウス】



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ルーネスガルディン - 死神のシャルロットだ。、、、此処は? (2016年6月13日 12時) (レス) id: e3be47b955 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:白い屈み | 作成日時:2015年8月18日 15時

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