7.世間は狭かった ─ side 九井 ページ7
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同じ顔をした人が世の中には3人もいる?巫山戯んな、いねぇよ。
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カラッポになった会議室、とうに温くなって不味くなったであろう、アイスコーヒー。
無音の世界、誰も喋らない世界、オレだけの世界。
酷く、気持ち悪いと感じた。
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───────── 巫山戯んなよ。
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先程までここで話していたアイツ、赤音さんに似ているのに、言動とやらは全く正反対なあいつ。
井山Aだったか、本当に似ているのは見た目だけ。
似せようと思えるなら似せれるようにと、だけど無駄に痛みのなさそうな髪、綺麗に染めてんじゃねぇよ。
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九井「なぁにが、Aさんだ。同い歳だろ、くっそ。」
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九井「つーか、赤音さんに似てもねぇよ、似てねぇし、…………………似てねぇだろ、なぁ、」
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九井「……………………………………イヌピー」
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ガラスの机に額をつけて、思い出してしまうあの日々、と思い出したくもないけど、思い出すしかないあの日を、オレはまだ忘れることが出来ない。
忘れたくない
忘れられない、あの人を思い出になんて出来やしない。
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九井「……………立ち聞きしてんじゃねぇぞ、灰谷」
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低い声が出たんじゃないかと思う。
そんな言葉を投げたのなら、出てこない方がいいのに、目の前のドアが開く音がして
聞き慣れてしまった声が鼓膜を刺激するには、充分だった。
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竜胆「三葉くんとか似合わねぇな、オマエ。」
蘭「お兄さん達が慰めてあげようとしてただけだろ。」
九井「うるせぇな、オレは今、不機嫌なんだよ」
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世間なんて広いでは無いか、世界が広いように。
それなのに、なんでよりにもよって、裏社会でオレの前に現れたんだよ、その見た目で。
なんで、オレを離してくれないんだよ。
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九井「忘れられないんじゃねぇよ、本当は忘れたくねぇんだよ。オレもあいつも、同じ人間だから。」
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灰谷2人に話すことでもないのだけれど、そんな言葉を投げては、立ち上がって会議室、から出た。
どうにかして、あいつと関わりを持たなければならない。
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代わりになってもらうぐらい、いいだろ。
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ちょき。(プロフ) - 十六夜夏希さん» まだ2人とも囚われてるような感じになってます!! 少しずつですが、物語が動き始めつつありますので、見守って貰えたらです! コメントありがとうございました! (2021年12月5日 9時) (レス) id: 186429bef0 (このIDを非表示/違反報告)
十六夜夏希(プロフ) - え、めちゃくちゃ切ない…。それぞれの囚われている感がめっちゃ好きです。ココの推しもっと増えろ。(笑)更新頑張ってください! (2021年12月1日 2時) (レス) @page38 id: 1ab5df6e8d (このIDを非表示/違反報告)
ちえ - ココオタクって言われてしまったうち喜んでいいのやら😩 (2021年11月30日 0時) (レス) id: 0560ab194e (このIDを非表示/違反報告)
ちょき。(プロフ) - ちえさん» 九井くんいいですよね!!わかります!!私も好きです! 今回は九井くんメインのお話でしかも長めのお話なので、楽しんで貰えたらです! コメントありがとうございました! (2021年11月28日 23時) (レス) id: 186429bef0 (このIDを非表示/違反報告)
ちえ - ココが推しなのでこういう話しがもっと見たいです。 (2021年11月26日 19時) (レス) id: 0560ab194e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちょき。 | 作成日時:2021年11月22日 13時