42.飴玉 ページ42
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「私、ドロップスのチョコレート味は誰にも譲りたくなかったんですよね。」
竜胆「オレ兄ちゃんにいつも食われてた」
「美味しいですもんね、あれ。」
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そうやって話していたのは、梵天の幹部の1人である竜胆さんである。梵天とはそもそも取引関係があっては
今日は内容の確認のため、書類を眺めては、説明をしているのだ。
私と竜胆さんが話している横で、九井さんは違う仕事をしていた。いや、それはそれでどうなんだ?それでいいのか、ちょっと?
気まずいとか、意識するとか、そーゆーことを心配していたけれど、そんなことは無かった。寧ろ杞憂だったと思う。
そんなこと、起きる訳もなくては、何も無いただの仕事関係に戻っていた。
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竜胆「九井は何味好き?」
九井「…………………飴、あんま好きじゃねぇかも」
竜胆「うわウザ」
「ハッカ味、けっこー好きでしたよ、私。」
九井「へぇ」
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飴玉を食べるのは嫌いではなかったし、むしろ好きな方だった。まっすぐと、って言う訳でもないけれど
溶けるまで、コロコロと口の中で転がるそれは、確かにそこにいたみたいにと存在感があるから。
嫌いではなかったんだ。
皆から嫌われやすいそのハッカ味だって、私は好きな方だった。
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竜胆「つーか、オマエらってやったの?」
「してません」
九井「してねぇよ」
竜胆「オレへの当たり強くない?そんな事ない?」
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喧嘩したわけでもなければ、前からこの関係性に疑問もなかった。ただの契約関係だと改めて感じながらも
少しだけのギスギスした空間に理解はしようとしていない。
そんなに朝ご飯作ったことが気に入らなかったのか、私が赤音さん本人じゃなくて嫌だったのか、そんなことわかるわけがない。
けど、分かっていた。
お互いに、その人になれやしないってことなんて
最初からわかっていたじゃないか。
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竜胆「オレ帰ってもいい?」
「やめてくださいよ、ほら資料見てください。」
九井「仕事してから帰れ」
竜胆「オマエらのギスギス空間が嫌なんだよ、ばかか」
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飴みたいに溶けてしまいたいと思った。
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ちょき。(プロフ) - 十六夜夏希さん» まだ2人とも囚われてるような感じになってます!! 少しずつですが、物語が動き始めつつありますので、見守って貰えたらです! コメントありがとうございました! (2021年12月5日 9時) (レス) id: 186429bef0 (このIDを非表示/違反報告)
十六夜夏希(プロフ) - え、めちゃくちゃ切ない…。それぞれの囚われている感がめっちゃ好きです。ココの推しもっと増えろ。(笑)更新頑張ってください! (2021年12月1日 2時) (レス) @page38 id: 1ab5df6e8d (このIDを非表示/違反報告)
ちえ - ココオタクって言われてしまったうち喜んでいいのやら😩 (2021年11月30日 0時) (レス) id: 0560ab194e (このIDを非表示/違反報告)
ちょき。(プロフ) - ちえさん» 九井くんいいですよね!!わかります!!私も好きです! 今回は九井くんメインのお話でしかも長めのお話なので、楽しんで貰えたらです! コメントありがとうございました! (2021年11月28日 23時) (レス) id: 186429bef0 (このIDを非表示/違反報告)
ちえ - ココが推しなのでこういう話しがもっと見たいです。 (2021年11月26日 19時) (レス) id: 0560ab194e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちょき。 | 作成日時:2021年11月22日 13時