38.歪 ─ side 三途 ページ38
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………………あかねさん。
あかねさんってだれ?
知らねぇ〜、九井くーん自分で呼びな?
よぶ。
九井大丈夫か?無理するな。
カクチョー酒。
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あちこちから飛び交う声に頭が痛くなりそうだ。何をどうしてこうなった?という訳でもなくて
灰谷の兄が担当しているキャバに来ていた。
酒が飲みたい、という言葉を漏らしたのは、誰だったかは覚えてない。帰りてぇな、まじで。マイキーもマイキーで、だばーっと口を開けたままだから、酒がこぼれている。
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三途「あかねさんってだれ」
竜胆「知らね」
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知らね、じゃねぇーよ。なんて思うも、他の奴らの過去なんざどうでもいい。気にしたこともない。
だからこそ、へぇってしながら、目の前の酒を飲む。隣に座る女たちの香水に吐きそうだ。だから、来るなと言っては遠巻きに眺めさせるだけだった。
今更ながら、九井とは天竺?いや、まぁ東卍時代?いやわかんねぇな、ギリギリ被るか。そんぐらいからの付き合いではある。
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何気にこいつのこと知らねぇな、オレ。
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三途「おら、電話だ九井」
九井「ん、あかねさん」
三途「そのあかねさん、が迎えに来てくれるってよ」
九井「あかねさん、くる?」
三途「そー、あかねさんが、オマエのこと迎えにくんの」
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アルコールが回っているのか、正常な判断もできていないこいつを見つめていたのなら、へにゃりっと気の抜けた笑みを浮かべては
立ち上がろうとしては、足をもつれさせガシャン!と音を立てながら、転んでいた。
なんなんだよ、くそ。
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鶴蝶「九井、大丈夫か?無理するな」
九井「あかねさんが、きてくれるから、いりぐち」
鶴蝶「転ぶぞ」
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末っ子である鶴蝶にそう言われながら、結局座らせられている九井を見た。
イライラというよりも、面倒くささしか残っていない。
鳴り響いた鐘の音も合図だったのか、そいつはオレたちの前に姿を現したのなら、あの日のアイツだった。
まぁ、知ってたけど。
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三途「あいつも大変そうだよなぁ」
竜胆「2件目行こうぜ」
三途「行かねぇよ」
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歪んでるなって、思ったんだ。
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ちょき。(プロフ) - 十六夜夏希さん» まだ2人とも囚われてるような感じになってます!! 少しずつですが、物語が動き始めつつありますので、見守って貰えたらです! コメントありがとうございました! (2021年12月5日 9時) (レス) id: 186429bef0 (このIDを非表示/違反報告)
十六夜夏希(プロフ) - え、めちゃくちゃ切ない…。それぞれの囚われている感がめっちゃ好きです。ココの推しもっと増えろ。(笑)更新頑張ってください! (2021年12月1日 2時) (レス) @page38 id: 1ab5df6e8d (このIDを非表示/違反報告)
ちえ - ココオタクって言われてしまったうち喜んでいいのやら😩 (2021年11月30日 0時) (レス) id: 0560ab194e (このIDを非表示/違反報告)
ちょき。(プロフ) - ちえさん» 九井くんいいですよね!!わかります!!私も好きです! 今回は九井くんメインのお話でしかも長めのお話なので、楽しんで貰えたらです! コメントありがとうございました! (2021年11月28日 23時) (レス) id: 186429bef0 (このIDを非表示/違反報告)
ちえ - ココが推しなのでこういう話しがもっと見たいです。 (2021年11月26日 19時) (レス) id: 0560ab194e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちょき。 | 作成日時:2021年11月22日 13時