36.面影 ページ36
.
いつからこの金髪にしていたかなんて、もう忘れてしまった。思い出したくもないのだろう。
.
正直、梵天がどこにあるかなんて分からないと思っていたのなら、どうやら彼らはお酒を飲んでいたらしく、深夜帯の夜の街、にいるわけだ。
まぁ、そこが所謂そーゆーとこらしく
そこに女性を呼び出しては迎えにこさせる、なんて有り得ない話である。ありえないよ、本当は!
しかも深夜一時とか、暇なのかな、この人たちは。
.
からんからんっ
音を鳴らして入っていったそこは、酒と女性の匂いがしては、おもわずハンカチで口を抑えてしまう。
いや、香水の匂いすごいな、臭すぎる。
.
「お迎えに来たんですけど」
竜胆「この前の井山ちゃんだー、やっほー。九井なら奥にいるんだけど、飲んでく?」
「車なんで辞めてください。それに今の私は、乾赤音なので。」
.
そうやって少しの会話をしてから、奥へ奥へと入り込んでいく。こちらを見る女性たちは、それはそれは煌びやかな衣装を身にまとっていて、私とは正反対の世界だなと思う。
まぁ彼女たちにも理由があるのだろうけど。
.
「はじめくん」
九井「ぁ…………………、あかね、さん」
「はじめくん、お酒飲み過ぎだよ。ほら、帰ろう?」
九井「あかねさん、オレ、酒しか飲んで、ないから。ほかの女たちとは、別に」
「わかってる。はじめくんは、私の事守ってくれるから、傷つくことしないって」
九井「ぁ………あ、赤音さん、……赤音さん」
「帰ろっか、はじめくん」
.
そうやって微笑んでみせて、九井さんの手を握って目を合わせたのなら、眉を8の字にしながらも、少し笑みを浮かべられては頷かれた。
愛おしそうな目をしていたから、わかっていないのだと思う。
そんな彼の手を握りながら、誘導するようにと車に乗ってもらった。
.
蘭「んじゃ、九井の事よろしくな〜?あかねさん」
「私と彼の契約関係に口出ししないで下さい」
蘭「歪だなぁって思っただけ。三途〜鶴蝶〜2件目行こうぜ〜〜」
.
そんなこと、わかってるよりも、仕方ないで済ませるしかなかった。
お互いがお互いの大切な人に似てるのだから。
.
254人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「東京リベンジャーズ」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ちょき。(プロフ) - 十六夜夏希さん» まだ2人とも囚われてるような感じになってます!! 少しずつですが、物語が動き始めつつありますので、見守って貰えたらです! コメントありがとうございました! (2021年12月5日 9時) (レス) id: 186429bef0 (このIDを非表示/違反報告)
十六夜夏希(プロフ) - え、めちゃくちゃ切ない…。それぞれの囚われている感がめっちゃ好きです。ココの推しもっと増えろ。(笑)更新頑張ってください! (2021年12月1日 2時) (レス) @page38 id: 1ab5df6e8d (このIDを非表示/違反報告)
ちえ - ココオタクって言われてしまったうち喜んでいいのやら😩 (2021年11月30日 0時) (レス) id: 0560ab194e (このIDを非表示/違反報告)
ちょき。(プロフ) - ちえさん» 九井くんいいですよね!!わかります!!私も好きです! 今回は九井くんメインのお話でしかも長めのお話なので、楽しんで貰えたらです! コメントありがとうございました! (2021年11月28日 23時) (レス) id: 186429bef0 (このIDを非表示/違反報告)
ちえ - ココが推しなのでこういう話しがもっと見たいです。 (2021年11月26日 19時) (レス) id: 0560ab194e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ちょき。 | 作成日時:2021年11月22日 13時