【オリジナル】俺が妖とか聞いてない【男主】

変わらない ページ5

コンコンッ

ドアをノックされルイが戻ってきたのかと思い扉を開けると見知らぬ、女性

え、女性？

あ「だ、誰ですか・・・」

全身の毛が逆立つ

「そんなに警戒しなくても大丈夫です。私、ルイ様の使用人の九条と申します」

あ「九条・・・さん？」

九「はい、ふふ あなたに“さん”づけされると不思議な感覚です」

にこにことほほ笑む、九条さん

あ、俺この人知ってる

口に手を当て、目を細くして笑う癖

あ「母さん・・・？」

九「あら、分かったんですね？やっぱり17年も一緒にいると分かってしまうんですね」

あ「癖、一緒なんだもん・・・」

九「よく見ていたんですね」

また、ふふと笑う

あ「くじょ､､､母さん、俺に敬語やめて？」

九「！私、本当の母さんじゃ あ「わかってる、」・・」

あ「本当の母さんじゃなかったとしても、俺の家族だったことには変わりないよ」

この17年間、俺の母さんだったことは変わらない

怒ったり、笑ったり、泣いたりしたあの思い出は変わらない

あ「母さんが嫌じゃなければでいいんだ。もう一度俺の母さんになって。俺の家族になってください」

頭をさげ、手を差し出す

ふわりと優しい手で抱きしめられる

九「馬鹿ね、、断るわけないじゃないの。最初はただの家族ごっこだったの。
でも、あなとの成長を見るにつれ本当に我が子のように思ったわ。
18の誕生日が来なければこの時がずっと続くのに・・・そう思ったわ」

あ「俺にとっての母さんは俺だけなんだよ
もちろん、父さんも姉貴も妹も、俺にとっては大事な家族なんだよ
血のつながりなんて関係ない。過ごした時間のほうが大事なんだよ・・・」

九「今日のAは甘えん坊さんみたいね」

うっすらと涙を浮かべ、笑顔を見せてくれた。


後から聞いた話だが

母さん父さん姉貴妹は本当の家族らしい

だからきっと俺は本当の家族に思えたのだろう

寄せ集めた人材ならこの思いはわかなかった

ルイはこうなることをわかっていたのかな・・・

俺には一つ分かったことがある

――俺はルイの事何も知らない――

見えてない→←逃げれない

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す