落ち着いて* ページ47
「たの…しい…みんな、消す!」
止まろうとしないこの体が言うことを聞かない。
抑える気もなく別に私がどうなったところで誰も悲しまない。だってそうでしょ?
「A!もう兵士はいねーぞ!お前が全部やっちまった。」
そんなことどうだっていい。目的は今いるすべての邪魔を消すこと。兵士が倒れてどこかに行ったからといって攻撃をやめるわけじゃない。
ポイズンレインで雨を降らせ、そしてみんなの体力をフィールドから奪う。
「やめて…A、僕らに不満があるなら!ねぇ打ち明けてよ!」
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光のないAの目。
俺は何もできずに立ち尽くして声もかけられないでいた。
ディアンヌは懸命に抑えようとしているけど止まらないままで。
「攻撃禁止だぜ?バン。」
「めんどくせっ♪」
「あたりまえでしょ、殺す気なの?オイラそんなぶっそうなことできないね。」
どうやって止めよう、魔力に頼るのはやめておいた方がいい。
できるだけ戦闘も避けたい。ということはやることは一つ。
俺はAにゆっくり近づく。
団長に「危ないぜゴウセル」と言われたがやるしかない。
『こういうのは俺にしかできない…そうだろ、A。』
後ろからそっと抱きしめる。
Aの体を包み込むようにして抱きしめる。少しでも落ち着けるように
「離せ!」
Aは勢いよく俺の体を押す。みんなはじっとこっちに視線を寄せている。
『もういいんだ、もう大丈夫。』
「めんどくせーまじ♪」
「まー今はみてようぜ。」
「だい…じょう…。」
『ああ、もう何も怖くないし、自由を少しでも作れるようにしよう。』
ときどき背中をとんとんする。いつの間に覚えたのかはわからないが、どうせ本だろう。
「ゴウ…セル。ごめんなさい。」
暫く宥めていると落ち着いたようでAは申し訳なさそうに俺に謝った。
『大丈夫だ、さー帰ろう。』
「みんなも傷つけて…ごめんなさい、私なにもできない。」
俺は抱きしめていた体をそっと離し、立ち上がったがAは帰ろうとしなかった。
「お前は何もできないとかじゃないぞ、無理に全部やらなくていい、そうだろ?」
「自由をちょっと奪いすぎたのかも、でも僕ら心配してるから!」
「同時にオイラたちは信じてるから。」
俺も信じてる、絶対に。みんなが気持ちを代弁してくれているようだった。
「…はい、ありがとうございます、帰りますね。」
やっとのことでAは立ち上がり、俺の手を取ってゆっくり歩き出した。
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ピース♪@PC破損中(プロフ) - ルナさん» うわー!なんと!ありがとうございます。あの…どこの部分でしょうか? (2018年8月1日 12時) (レス) id: 42eb3dfe3d (このIDを非表示/違反報告)
ルナ(プロフ) - 回転じゃなくて開店だと思いますよ (2018年8月1日 12時) (レス) id: 27b92c5969 (このIDを非表示/違反報告)
、 - ルールも守れない、理解もできない人の作品には高評価はつかない (2018年3月6日 19時) (レス) id: eebce367fa (このIDを非表示/違反報告)
心の雨と虹の空@現在低浮上ぎみ(プロフ) - オリジナルフラグ、外してください。続編を作る前によく確認してから更新してください。 (2018年2月11日 12時) (レス) id: 469d2368ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ピース♪ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/yu0828na/
作成日時:2018年2月11日 12時