後ろ向きな気持ち* ページ38
営業中、どこかで「キングってわかりやす♪」という声がした。
確かにその通りだ。
今思えばディアンヌさんにたいするすべての感情が丸見えである。
キングさん頑張って…。
私は心の中で呟いた。へたに口に出すとめんどうくさくなりそうだからだ。
「A、やるじゃねーか!客がたっぷりだぜ!」
注文が少し途切れたのか、店長さんがお店から出て来た。
一緒にエリザベスさんもいて、顔はにっこりしていた。
「でしょ?Aっていろんな才能持ってそうだよね!いいなぁ、僕もいろんなことできたら!」
そこまで尊敬されても困る。私だってもっと戦闘できる力が、みんなを守り抜く力がほしいのだ。
なんなら【七つの大罪】なんて羨ましいよ。私よりなんでもできて、私より力を持っていて…。
「あの…A様?」
エリザベスさんなんてかわいいし、何があっても笑顔なくさず、いつもにっこり明るい。
「どうかしたか?A。」
困っていたって声をかけられる。見殺しにするようなことは絶対にしない。
それなのに、私は?
「おーい!Aちゃーん!」
「え!はい!す、すみません!」
どうやら私はぼーっとしていたようで、まったく仕事に集中していなかったらしい。
ホークさんに怒られたのかと思い、ぴくりと肩を動かした。
「大丈夫かよ?難しい顔して。」
「て、店長さん…いえ、何もないです、大丈夫です。」
『何かあったらいつでも言えよ。』
やめて、その優しさが私の成長を止めてしまうから。
ほんとうは恋人なんていらなかった。なんの力も伸ばすことができないどころか、せっかく成長していたものが縮まって行っている気がするから。
「集中していなくてすみません!まだまだ頑張ります!」
「そうか、んじゃ俺は注文伺いに行ってくるな。」
「行きましょう、メリオダス様。」
いつの間にかみんな出て来ていて、びっくりした。
二人が店に入るのと同時にゴウセル以外のみんなが入って行った。
私は切り替えて大きな声でまたお客さんを呼び込む。
…どうしてあんなことになっちゃったんだっけ。
それすら思い出せなくなっていたけれどどうせどうでもいいことだし、思い出すとまたマイナスになってしまうのでやめた。
『後で撫でてやるから安心しろ…。』
「!あのっびっくりします!」
急に耳元で言う彼に頬を膨らませた。
人がせっかく集中しているときにやめないか…。彼なりのサポートのつもりだろうけど、余計なお世話です。
「もうすぐ閉店だぜ!」
店長さんの声。もうそんな時間だったのか。
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ピース♪@PC破損中(プロフ) - ルナさん» うわー!なんと!ありがとうございます。あの…どこの部分でしょうか? (2018年8月1日 12時) (レス) id: 42eb3dfe3d (このIDを非表示/違反報告)
ルナ(プロフ) - 回転じゃなくて開店だと思いますよ (2018年8月1日 12時) (レス) id: 27b92c5969 (このIDを非表示/違反報告)
、 - ルールも守れない、理解もできない人の作品には高評価はつかない (2018年3月6日 19時) (レス) id: eebce367fa (このIDを非表示/違反報告)
心の雨と虹の空@現在低浮上ぎみ(プロフ) - オリジナルフラグ、外してください。続編を作る前によく確認してから更新してください。 (2018年2月11日 12時) (レス) id: 469d2368ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ピース♪ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/yu0828na/
作成日時:2018年2月11日 12時