６．「そう、幼なじみ」 ページ6
.
廊下の角を曲がる茶髪の後ろ姿が見えて
思わず名前を呼ぶとドンちゃんがこっちを振り返った。
その先にしっかりと手を繋がれた彼女の姿があって、瞬間的に息が止まってしまい、苦しくて何も言葉にならない。
心底自分の頭の悪さが嫌になる。
彼女と帰るって連絡があったのに、
どうして話しかけてしまったんだろう。
HC「A？どした？」
『……』
黙り込んでしまった私を見た彼女は
「いつも言ってたAちゃん？」と小さい声で話しかけている。
それにドンちゃんは私に話しかけるときよりもずっと優しい声で「そう、幼なじみ」と返した。
いつも言ってたって何。私は彼女のことも好きな子がいたことも知らなかったのに。
言いたいことはたくさんあるのに、このまま口を開いたら声ではなく涙が出てしまいそうで、唇にぎゅっと力を込める。
JN「明日の数学小テストあるらしいよ」
HC「まじ？Aのクラスあったの？」
『うん』
RJ「ちゃんと予習しないとまた補修になるぞ」
HC「うわー有益な情報助かるわ、ありがと」
JM「じゃあね、ドンヒョガ」
「じゃあなー」とドンちゃんはその子を連れて行ってしまったのに、私の足は凍ったかのようにその場から動かない。
「嫌なものは見ない」
とジェミンが私の両頬を手で包んで、上目遣いをするように目を合わせてくる。
「分かった」と言えば「あいぐ〜」とほっぺをもちもちと摘まんできた。
そのまま手を繋いで歩き出すけど、
ジェミンはもしかしたら私のことを５歳か何かだと思っているのかもしれない。
RJ「…なんかあーいうの変な感じするよな」
JN「ドンヒョクだから余計にね」
『………ドンちゃんの彼女大人っぽかった』
RJ「確かに」
『同意しないでよ』
RJ「なんだよ、言い出したの自分だろうが」
JM「Aは可愛いよ」
『今言われるお世辞しんどいだけだから平気』
JM「あいぐ〜！本気なのに」
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1175人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「NCT」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ロク | 作成日時：2022年5月8日 2時
