青春はサイダーのように (ページ42)

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42.「失恋でもしたの？」ページ42

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気持ちを切り替えるために髪色を変えるなんて、我ながら単純で呆れる。

でも夏休みになったし、そろそろ染めたいと思っていたから、別にそれだけが理由なわけじゃない。

…って、なんで自分に言い訳してるんだろう。

夏だし明るい色がいいかなと思うけどブリーチはしたくない。

赤とかピンクとかオレンジも可愛いけど似合うかな。

予約の時間がせまってきているけど一向に決まる気がしない。

ジェノは何でも似合うって言いそうだし(これはうぬぼれではない)、ロンジュンは昨日送ったメッセージに返事がないからまだ寝てるのかも。

ジェミンも何でも似合うって言いそうだけど、
Aに似合うと言って選んでも貰ったものは周りからも評判がいい。やっぱりジェミンだな。

髪の毛染めようと思うんだけど、何色がいいと思う?

ジェミンAは何でも似合うと思うけど?

ジェミンの意見が聞きたいの

ジェミンあ～～～～これ以上可愛くなってどうするつもりなの?

これとこれが似合うと思うよ
と送られてきた写真を保存して早速美容院に向かった。

最近ずっと通っている美容師のテンさんに「この色にしたくて」と伝えると

「失恋でもしたの？」と聞かれたので、次からは指名するのを辞めようと思う。

質問に答えずに、カラー剤を塗り始めるテンさんを鏡越しに睨むと「なにそれ変な顔」と笑われた。

TN「テンはAには年上が合ってると思うけど」

『年上かあ』

TN「落ち着いてる大人な人ね」

『そんな人身近にいたかなあ』

TN「ボクとか」

『え～？』

TN「ちょっと、なんでそんなに嫌そうなの」

『テンさんと付き合ったら毎日不安で死んじゃいそう』

TN「一回試してみる？」

『ううん、遠慮します』

カラーもセットも終わって完成した髪の毛は想像以上に良くて、

「やっぱボクって天才」と自画自賛していたけどそれも認めざるを負えない。

何故か若干悔しい気持ちになりながら丁寧に感謝を伝えると、次回使えるからと言ってトリートメントのクーポンをくれた。

こんなのまた指名するしかないので本当にずるい大人だと思う。

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