硬貨31枚 ページ32
『いっ、た………ゔぅ……』
「うは、やっぱキズ似合うわ〜」
「お化粧お化粧！」
ヒリヒリと痛む口角を小さく舐める。鉄の味にAは顔をしかめた。
行為中、爪で引っ掻かれた拍子に口の端が切れた。意図的に。
顔への傷は高いなぁ、と思いながら計算を始める。
へらへら笑いながら腰を振る相手のことなんざ全く気にしていなかった。
身支度を整え、2人に向き直る。
『えーと、3回で60000、オプションで5500と15000で…1人合計80500マドルになりまぁす』
「は…？いやいや、15000のオプションって何だよ」
『顔への傷ですよ♡顔は1番の商売道具、傷つけられるのは困るんですよねぇ』
「たかだかそんなちっぽけな傷で？ボッタクリだろ」
机の上に乱雑に置かれたのは明らかに足りない額。先程のことは無かったことになっている。
故意に傷つけてなくてもお金払うのは当たり前でしょ〜、人間やり直しなって〜。
踵を返して去ろうとする彼らの背中を笑いながら見守る。
軽くペンを振って、ドアの鍵を閉めた。ここのドアは外から出ないと鍵は閉められない仕組み。
3人はここから出られなくなった。
『払うまで返しませんよ〜？夢見せてあげたのは誰だと思ってるんです？』
「わざとじゃねぇって、な？冗談だろ、通じねぇの？」
「てか不利なのそっちじゃね？いーの？先輩2人閉じ込めちゃって」
『ヒャハハ、躾のなってない人間サマなんざ魔法もいらないね！』
仕方ない、払う素振りは見受けられないし………やり返すしかないか。
まぁ理解するまでちゃんと説明してなかった自分悪いかな〜？多少は手加減してあげよう。
机の上にマジカルペンを置いて可愛らしい笑みを浮かべる。
『このあと人魚サマのとこ行かなくちゃいけないから手短に済ませないとね〜』
「はっ、ペン無しでどうやって戦うってんだよ！」
『ヒャハハッ、僕素手のが得意なの！』
床を蹴り、片割れの方に近付く。間髪入れず左頬に拳を入れる。
蹌踉めいた隙きに脇腹に肘を入れた。
向かってくる相手も同様に。
『あ〜あ、血付いちゃった』
床で呻く彼らへの興味なんて爪の先ほど無かった。
手についた血を舐めて顔をしかめる。
『人間サマってやっぱ不味いんだぁ……うえぇ…』
不清潔だ、後で口濯ごう…なんて思いながら鍵を開ける。
フロイド先輩、奢ってくれるって言ってたけど何食べさせてくれるんだろう？
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しお(プロフ) - 完結おめでとうございますっ作者様の作品どれも大好きです！！ほんとにどタイプです(; ;)新作も楽しみにしています！頑張ってください！ (2020年8月17日 18時) (
レス) id: 555d662f3a (このIDを非表示/違反報告)
ぱるこ氏(プロフ) - 完結おめでとうございます！！すっごく読んでいて楽しい作品でした！またどこかで貴方様の作品に出会えますように（＾ν＾） (2020年8月16日 22時) (レス) id: f3351ce51f (このIDを非表示/違反報告)
あお(プロフ) - とても面白いです。この作品が更新されるのを毎日心待ちにしてます。更新大変だと思うので作者様なりのペースで頑張ってください！応援してます。 (2020年8月7日 22時) (レス) id: 9f253d2950 (このIDを非表示/違反報告)
諒(プロフ) - イライ&ナワーブさん» ご指摘ありがとうございます！お手数ですが、誤表記の話数をお教えいただけませんか？ (2020年8月7日 22時) (レス) id: 20c69aa8ad (このIDを非表示/違反報告)
イライ&ナワーブ - とても面白いと言うかBL最高！ (レオンではなくてレオナですよ) (2020年8月7日 21時) (レス) id: 1da65a8f09 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：諒 | 作成日時：2020年8月2日 13時
