硬貨20枚 ページ21
ルーク「やぁムシュー・ミツバチ!ご機嫌如何かな?」
『うひゃあぁっ!?』
強く早くAの心臓が脈打つ。
驚くのも無理はない。ルークは突然窓枠から顔を覗かせたのだから。
眠そうにスケジュールを確認していたAの目はぱっちりと開いている。不本意だが目が覚めたことだけは心の中で感謝しておいた。
ルーク「可愛らしい悲鳴だったね、まるで小鳥の囀りの様だ!」
『褒められてる……?』
ルーク「もちろん!私はいつでもキミを褒めているつもりだよ」
『そ、それは普通に気持ち悪い………』
小鳥はこんな大声で囀りなんかするもんか。
すぅ、と深呼吸をしてしっかりルークを見る。
そんな彼は、軽々と窓枠を越えてAの前に立った。
『狩人サマどうしたの?僕に何か用?』
ルーク「ウィ!私とヴィルからの贈り物さ」
『……化粧水と、シャンプー…?』
ルーク「気にせず受け取っておくれ、キミのために選んだんだ」
化粧水はもちろんヴィル特製。いつもAが使っているものだった。
シャンプーは初めて見る物。
筆記体でつらつらと文字が綴られていたが、読む気力も無かったため諦めた。
パッケージからして高級そう。新品っぽい。
ルーク「今も十分な髪だけれど、これを使えばもっと艶やかになる。きっとムシュー・ミツバチの髪質にピッタリだ」
『…いいの…?す、すごく高そうだけど…』
ルーク「もちろんさ!では私はこれから部活なのでお暇するよ。アデュー!」
『あ、あでゅ…?』
言葉通り嵐のようだった。ぽつんと1人廊下に立たされる。
髪に無頓着だから全く気づかなかったが、ルークはゴワゴワしていると感じたんだろうか?だとしたら非常に助かる。
『……ヒャハ、なるほどねぇ…?』
先程仄かに鼻を掠めた花の香り。手の中のシャンプーボトルからする匂いと一致している。
つまり、これはルークと同じ種類のもの。"オソロイ"ってやつだ。
彼なりのマーキングだろうか?
そうならこんなに面白いことはない。狩人が独占欲だなんて、レオナが聞いたら笑うだろう。
『ちゃんと使ってあげよ〜っと』
自分と同じ匂いが意中の人間からしたら、愛の狩人はどんな反応を示すのか。
取り敢えずもうすぐ支給されたシャンプーが底をつく。明後日辺りにはもう変えられるだろう。
楽しみで尻尾が揺れる。
お金の匂いがしたのは気のせい?
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しお(プロフ) - 完結おめでとうございますっ作者様の作品どれも大好きです!!ほんとにどタイプです(; ;)新作も楽しみにしています!頑張ってください! (2020年8月17日 18時) (レス) id: 555d662f3a (このIDを非表示/違反報告)
ぱるこ氏(プロフ) - 完結おめでとうございます!!すっごく読んでいて楽しい作品でした!またどこかで貴方様の作品に出会えますように(^ν^) (2020年8月16日 22時) (レス) id: f3351ce51f (このIDを非表示/違反報告)
あお(プロフ) - とても面白いです。この作品が更新されるのを毎日心待ちにしてます。更新大変だと思うので作者様なりのペースで頑張ってください!応援してます。 (2020年8月7日 22時) (レス) id: 9f253d2950 (このIDを非表示/違反報告)
諒(プロフ) - イライ&ナワーブさん» ご指摘ありがとうございます!お手数ですが、誤表記の話数をお教えいただけませんか? (2020年8月7日 22時) (レス) id: 20c69aa8ad (このIDを非表示/違反報告)
イライ&ナワーブ - とても面白いと言うかBL最高! (レオンではなくてレオナですよ) (2020年8月7日 21時) (レス) id: 1da65a8f09 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:諒 | 作成日時:2020年8月2日 13時