硬貨15枚 ページ16
リドルのストレスの原因はもちろんAの態度。
目上の人間に向かっての態度が気に食わなかった。
一方、Aの原因は時間。
予定を白紙にせざるを得なくなったことに今月一番と言っていいほど腹を立てていた。
ケイト「一応、マジカルペンは預かっておくよ」
『1番大好きなケイト先輩も敵なんだぁ……うぅ…』
ケイト「くっ…その顔は刺さる……」
リドル「不可能だろうけど魔法を使われるのは都合が悪いからね」
そのままリドルの詠唱により、Aの首に錠がかけられた。
小さく呻き声を漏らすと、ギラリと目を光らせた。
『ダッサイ首輪。こんなの着けられちゃう寮生可哀想〜…温厚になったとはいえ今も横暴なんだねぇ、女王サマは』
リドル「減らない口だ、いっそのこと縫ってしまおうか?」
『そんなことされるくらいなら今ここで舌噛み切ってあげるよ、このペンキでバラでも塗ったらぁ?』
徐々にリドルの顔が赤みを帯びていく。
対して、Aの顔は冷めていくばかりだった。
似合わない首輪、少しだけ息苦しいし何より重い。マジカルペンもないし体も掴まれていて動けない。
心当たりもないのにこんなに責められる理由がわからなかった。
エース「…えっ近くで見るとめっちゃいい顔じゃん、エペルみてえ」
デュース「お前な…はぁ……」
呑気なエースと呆れるデュース。
いつもならAは感謝の辞を述べていた所だが、不愉快な空間により何も反応を示さなかった。
リドル「スラム育ちのキミは上下関係を知らないのかい?そんな乏しいなんてことはないはずだよ」
『いやいや!今まさに!上下関係示してるじゃん!』
リドル「は?」
『ヒャハ、捕まえることをゴールにしてる狩人はよく獲物を逃がすんだよ』
関節を外す覚悟で腕から抜け出す。
腕の痛みは少々あったが外れてはいない。不幸中の幸いだ。
ケイトが持っていたマジカルペンも取ってリドルに向き直った。
リドル「…魔法が使えないキミなんて怖くもなんともない」
『僕は攻撃なんてしないよぅ』
コツン、と首輪にペンを触れさせる。
『ワン、ツー、スリー!』
ガコン、と鈍い音を立てて錠が床に落ちた。
前例のないそれに、一同は目を丸くした。
『センスの補修、
軽快な笑い声を響かせて、Aは颯爽と廊下を駆け抜けた。
リドルを除いた一行は後ろ姿を呆然と見つめていた。
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しお(プロフ) - 完結おめでとうございますっ作者様の作品どれも大好きです!!ほんとにどタイプです(; ;)新作も楽しみにしています!頑張ってください! (2020年8月17日 18時) (レス) id: 555d662f3a (このIDを非表示/違反報告)
ぱるこ氏(プロフ) - 完結おめでとうございます!!すっごく読んでいて楽しい作品でした!またどこかで貴方様の作品に出会えますように(^ν^) (2020年8月16日 22時) (レス) id: f3351ce51f (このIDを非表示/違反報告)
あお(プロフ) - とても面白いです。この作品が更新されるのを毎日心待ちにしてます。更新大変だと思うので作者様なりのペースで頑張ってください!応援してます。 (2020年8月7日 22時) (レス) id: 9f253d2950 (このIDを非表示/違反報告)
諒(プロフ) - イライ&ナワーブさん» ご指摘ありがとうございます!お手数ですが、誤表記の話数をお教えいただけませんか? (2020年8月7日 22時) (レス) id: 20c69aa8ad (このIDを非表示/違反報告)
イライ&ナワーブ - とても面白いと言うかBL最高! (レオンではなくてレオナですよ) (2020年8月7日 21時) (レス) id: 1da65a8f09 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:諒 | 作成日時:2020年8月2日 13時