ナマケモノな彼の日常【ツイステ】【男主】

ボドゲ部と ページ6

「ふひ、今日こそA氏に勝つ」


『……無理無理……』




ボドゲ部の部室。


中央のテーブルを挟むように向かい合って座り合うイデアとA。NRCレアキャラランキング(ケイト調べ)二位と一位が何をしているかと言うと。




「あぁ、また負けた」


『……ふふん、どうだ……』




携帯ゲームである。銃を使って相手を先に撃った方の勝ち、という少々野蛮なゲーム。反射神経と正確さがモノを言うこのゲームで、イデアはここ数十回ライに連敗中なのだ。ナマケモノに負ける反射神経とはこれいかに。


まぁ、Aに関しては正確性が尋常でないだけで反射神経はイデアより少し遅いくらいなのだが。




「お二人とも、そろそろボードゲームをしませんか？三人で」




そんな二人にお茶を入れながら告げるのは二年生のアズール。その顔には、何で僕だけ仲間外れなんですかとかかれていた。


Aはアズールのセリフを聞いて、悪戯っぽく笑う。揶揄うような声色で、Aは言った。




『……アズール、寂しかったんだ』


「なっ、違います！そんなんじゃないですから！」




Aの言葉に顔を真っ赤にさせながら、アズールが叫ぶ。それを面白そうに眺めながら、イデアはごそごそと部室を漁る。


何かあったかな、皆で出来そうなやつ。


イデアは、部室に積み上げられた色んなゲームを手に取っては戻してを繰り返す。やがて一つのゲームを手に取って、二人の元へ戻った。




「……じゃあ人生ゲームでもする？」




イデアが取り出したのはかなり大きめの人生ゲーム。確か、この前部費でイデアが買ってたやつ。


その大きさに、Aとアズールは目を輝かせ頷いた。嬉しそうな顔に、イデアは思わず笑う。これ、買って良かったな。


イデアは二人を優しく見つめて、人生ゲームを広げた。かなり大きく広げられたそれを見て、二人がまたきゃっきゃと嬉しそうな声をあげる。




『僕、赤……』


「なら僕は青で。……イデア先輩も青が良いですか？」


「拙者は黄色でいいよ。アズール氏青使いな」




赤と青それから黄色に緑。四色の車の中から、Aが真っ先に赤を取る。


アズールも青に手を伸ばしかけて、イデアをちらりと見た。そんなアズールに微笑んで、イデアは黄色の車を手に取る。


スタート地点に車を置いて、準備は完了。三人はじゃんけんをして順番を決めることにした。


結果は一番A、二番イデア、三番アズール。そうして、三人の勝負が始まった。

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