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「一生言うつもりなんて無かったんですよ、でも貴方があまりにも自分を大切にしないから!」
どうせだし、と何も考えずにずっと思っていたことをぶちまける。
「二宮和也はあんな愚かな女を彼女に選ぶような男じゃない!選んじゃ駄目です!!」
自分でも最低なことを言っているという自覚はある。
だけどもうどうにも止められなくて。
「お前は俺を買い被りすぎ。俺だって普通の男なんだから。恋人が必要な時もあるでしょ?」
「なんでそれが私じゃ駄目なんですか?条件は同じじゃないですか。その人も私もカズさんのことが好きで、たまたま身近にいて……」
「全然違うよ。お前は俺の大切な後輩で、みんなに愛されてる女優なんだから」
あくまでも先輩後輩の線を越えてこない彼に腹がたって、女として見られていないことに絶望する。
「私は…たくさんの人に愛されるよりも、カズさん一人に選んで貰う方が良かった。
お前が、Aが良いって言って欲しかった」
本心を吐き出すと同時に目から涙が溢れて。
ぽたり、と落ちたそれはアスファルトに滲みをつくる。
「こんなの……、こんなの女優失格ですよね」
「ちょ、」
「ああ、今日の私結構酔ってるんで。酔っ払いの戯言だと思って明日には忘れてください」
困った顔のまま表情を変えないカズさんに向かって一方的に言葉を叩きつける。
何も言わない、それが貴方の答えなんでしょ?
それ、なら。
「おやすみなさい」
私も忘れたフリをするから、どうか貴方も。
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紫苑(プロフ) - yukidarumakunさん» あとがきにも追記しましたが、この二人のその後を短編で書き始めました。ぜひ覗いてみてくださいね。 (2020年6月7日 16時) (レス) id: 217cb95def (このIDを非表示/違反報告)
yukidarumakun(プロフ) - ものすごく楽しみです!またこの2人に会えるのを楽しみに日々の生活頑張ります。こんな時期ですので御無理のないよう創作して下さいね。 (2020年6月6日 19時) (レス) id: b586aa50e6 (このIDを非表示/違反報告)
紫苑(プロフ) - yukidarumakunさん» 労いのお言葉ありがとうございます。この後の二人については少し考えていることがあるので楽しみに待っていてください!続きを書いた時にはまたこちらでお知らせしますね。 (2020年6月4日 12時) (レス) id: 217cb95def (このIDを非表示/違反報告)
yukidarumakun(プロフ) - 完結お疲れ様でした。この後の2人も見たいですね。また、いつか続編読ませて頂ける日を楽しみたいしています。 (2020年5月31日 19時) (レス) id: b586aa50e6 (このIDを非表示/違反報告)
紫苑(プロフ) - めぐぽん(*´・∀・)さん» コメントありがとうございます。楽しみと言って頂けて嬉しいです。更新頑張りますね! (2020年5月26日 23時) (レス) id: 217cb95def (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:紫苑 | 作成日時:2016年12月14日 22時