任せる…CM ページ37
♫
『…ごめんなさい、帰るわ』
彼女がそう言ってソファから立ち上がる。
と同時にふらつき、膝から崩れ落ちそうになったから思わず腕を伸ばして抱き留めた。
支えた肩の細さにぎょっとする。
俺が知っている頃に比べて、かなり華奢になっていた。
『ありがとう、大丈夫だから…』
そう言いながら腕を伸ばすが
すぐには体勢を整えられないようで、俺に身体を預ける状態から動けずにいる。
背後では、何やらパタパタゴソゴソとスリッパの音や衣擦れの音が聞こえてきた。
振り返ってみると、
低い体制で一応物静かに入ってきたヒョンたちが
例のカレーの歌を静かに歌い踊りながら、あいつを取り囲んでいくのが見えた。
はたから見ると
どこかの部族の儀式のように見えて
どうにもシュールなその様子を
固唾を飲んで見守るしか無い俺だったけど
その真ん中にいるあいつが大笑いし始めたから、
肩の力が抜けた。
と、同時に俺の支えで立っていた彼女が動き出す。
「えっ、あ、おい、大丈夫か？！」
俺の声かけよりも早く、
あいつがキッチンから玄関に向かってダッシュしていくのが見えた。
…えっ。
慌てて後を追う俺とヒョンたち。
だけど、皆がリビングから廊下に続く入り口のドアの辺りに留まるから、その先へ向かうことができない。
「ちょっ、ヒョン！！」
心配で俺も先に行きたいのをヒョンたちに止められる。
「良いから、チャンミナ。由乃ちゃんに任せようよ」
俺の横に並ぶユノヒョンまでがそう言って俺の肩をポンポン、と叩く。
「彼女を家の中に招き入れた由乃ちゃんだよ？大丈夫だよ」
そう言って笑いながら、俺に顔を近づけてきた。
「凄いよね。恋敵に塩を贈れるんだからさ」
耳元でそんなことを言って
「カレー温めよーっと」
いそいそとキッチンへと向かって行く。
「あれ？チャンミナ、顔赤いよ？」
俺の目の前で玄関先の2人の様子を見ていた親友が
不意に振り向いて目を丸くした。
「な、なんでも無い」
恥ずかしくなって思わず手で顔を覆いつつ
俺もキッチンのヒョンを追う。
何も言わないヒョンと、
カレーの入った寸胴を大きなおたまでぐるぐるとかき混ぜる。
良い感じでぐつぐつ言い始めた時、
ユノヒョンが口を開いた。
「…チャンミンのことは、チャンミンのタイミングで由乃ちゃんに伝えて良いからね。
2人とも信用してるから」
そう言って、優しく笑った。
♫
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ゆうの(プロフ) - けぃたんさん» ありがとうございます。ただただ、回復を、本人の頑張りを信じるだけです。 (6月4日 6時) (
レス) id: ec52b16ce2 (このIDを非表示/違反報告)
けぃたん(プロフ) - ゆうのさん。ビックリしました。娘さんの容態が良い方向に向くように祈っています。今はまだ落ち着かないとは思いますが、無理はなさらないようにしてくださいね。 (6月3日 22時) (レス) @page39 id: 17b7ddcd96 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうの(プロフ) - Kaoru26さん» ありがとうございます(*^^*)先は見えてるので頑張って進めますね〜！ (2023年4月4日 22時) (レス) id: ec52b16ce2 (このIDを非表示/違反報告)
Kaoru26(プロフ) - あわわ、ごめんなさいゆうのさん更新本当に楽しみにしてます、ありがとうございます〰️ (2023年4月4日 21時) (レス) @page31 id: 6233d11971 (このIDを非表示/違反報告)
Kaoru26(プロフ) - ゆうのさん (2023年4月4日 21時) (レス) @page31 id: 6233d11971 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆうの
| 作者ホームページ：https://ameblo.jp/kanayunho
作成日時：2022年10月20日 19時
