月明かり ページ31
★★★
ユノくんの優しい言葉に涙が止まらなくなった。
真夜中近いホテルのロビー。
決して人影は多くはないけど
どうしたって目立っているはず。
そんなことがわかるのに
涙は次から次へと止まらない。
ハンカチを渡されて
目の前に差し出される大きな手。
少し、躊躇したけれど
あの、ドス黒い感情が胸の奥で燻るけれど
でも、それ以上に
目の前に
私だけに差し出されるユノくんの手を離したくない、と言う強い思いで
勇気を出してその手を取る。
歩く右足が少しだけ痛むけど、歩けないほどではなかった。
エレベーターは上階へと進む。
着いた先は
どう見ても普通の客室ではない。…のがわかった。
隣同士の部屋のドアの間隔がやたら広い。
ユノくんはキーナンバーを確認して、ある部屋の前でロックを解除した。
ドアを開けて、私を中へと誘う。
部屋の中に入った途端、ふわり、と身体が舞った。
「…きゃあっ」
不意打ちのお姫様抱っこに悲鳴が上がる。
「見ている人がいないから良いでしょ？この方が早いし」
ユノくんはそう言って
決して軽くはない私を抱き抱えて、スタスタと部屋の中へと進んで行った。
いきなりの至近距離に
ただでさえ速まる鼓動が訳が分からなくなる。
目さえ回りそうな感覚を覚えながら
気がつくとふわふわとしたベッドサイドに下されていた。
座らされてなお、目が回って倒れそうになる。
「おおっ、とAさん！」
それを、ユノくんが支えてくれた。
その顔も近くて
もうしんでしまうんじゃないかとさえ思えた。
この部屋は
明らかにスタンダードな部屋とは違っている。
部屋の広さもさる事ながら
私が置かれたベッドはおそらくキングサイズ？くらいの大きなもので
よく見るとベッドが一つしかない、と言う事実に気づき、
また心臓は鳴り響く。
顔はきっと、ずっと真っ赤なままだろう。
優しい月明かりのおかげで
ライトをつけなくても大体が分かる。
私から離れたユノくんはテーブルの上のリモコンを手に取り何か操作を始めた。
すると、大きな窓にカーテンがかかり始めた。
「…あ！」
綺麗な月。
トマムで見たような綺麗なお月様が隠れてしまうのが残念で
思わず声が出た。
すると、ピタリとカーテンは止まって、また、開いていく。
思わずユノくんを見ると
「…トマムの月…みたいですね」
月明かりを浴びて
とても優しい顔で微笑んでくれた。
★★★
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ゆうの(プロフ) - まゆまゆさん» 止められないよー！止めるものもないよー！！突き進むのみ！！ (2020年4月6日 9時) (
レス) id: 253e460f3e (このIDを非表示/違反報告)
まゆまゆ(プロフ) - キャーッ////キター！こうなったらもう止められないよね。ドキドキして眠れなくなりそうです。この続きを想像して（笑） (2020年4月6日 1時) (レス) id: ddaab80a3d (このIDを非表示/違反報告)
ゆうの(プロフ) - ゆきさん» 頭の中はA V監督だわよ…(//∇//) (2020年4月5日 22時) (レス) id: 253e460f3e (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - だよねー＾＾ (2020年4月5日 22時) (レス) id: 24fba8a938 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうの(プロフ) - ゆきさん» 想像している頭の中は覗かないでいただきたいところですね！！(笑) (2020年4月5日 22時) (レス) id: 253e460f3e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆうの
| 作者ホームページ：https://ameblo.jp/kanayunho
作成日時：2020年3月10日 16時
