愛しい人…YN ページ30
★★★
ルームキーを手に
ゆっくりとAさんへ近づいていく。
声をかけると
さりげなく目元を拭くのが見えて
Aさんが泣いていることがわかった。
必死に誤魔化すAさんを
そのまま深追いはしない。
あながち間違いではないだろうから。
痛むんだよね。
足だけじゃなくて。
ここも…。
思わず
胸元を押さえ込んだ。
そのまま跪き、傷ついた足を見る。
腫れは無いようだから捻挫まではしていないかな。
全く動けない様子のAさんに
僕はゆっくりと声をかける。
「…頑張って…ヒール履いてくれたんですね。
……なのに僕‥無神経なことを言ってしまって…ごめんなさい」
一度頭を下げて、
そして、ゆっくりと顔を上げてAさんを見た。
「…スーツ姿のAさん、入社式以来ですね。懐かしいです」
ニッコリと笑って見せると
真っ赤な目をしたAさんがポロポロと涙をこぼす。
「あの頃はまさか…こんな日が来るとは夢にも思っていませんでした。
色々あったけど
今の僕は本当に幸せなんです。
…Aさんにも同じ気持ちでいて欲しいから。
だから、話をしましょう？」
小さな子供のように顔をくしゃくしゃにして泣くAさんを
それでも泣き声だけは堪えようとしているその姿を
心の底から愛しい、と思う。
持っていたハンカチを手渡し
「Aさん、行きましょう」
僕はAさんの荷物を持ち
片手を差し出した。
何も言わずに握り返してもらえるかな？
少しの不安と緊張で
少し手に汗をかいたかもしれない。
少しの間があって
それでもAさんはその手を伸ばして僕の手を握ってくれた。
…良かった。
ホッと胸を撫で下ろし、
優しくエスコートしてエレベーターホールを目指す。
片足を少し引き摺るAさん。
「大丈夫？」
「…うん。ごめんね心配ばっかり…」
「…ううん」
走って逃げたくなるような状況にしてしまった僕のせいだ。
★★★
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ゆうの(プロフ) - まゆまゆさん» 止められないよー！止めるものもないよー！！突き進むのみ！！ (2020年4月6日 9時) (
レス) id: 253e460f3e (このIDを非表示/違反報告)
まゆまゆ(プロフ) - キャーッ////キター！こうなったらもう止められないよね。ドキドキして眠れなくなりそうです。この続きを想像して（笑） (2020年4月6日 1時) (レス) id: ddaab80a3d (このIDを非表示/違反報告)
ゆうの(プロフ) - ゆきさん» 頭の中はA V監督だわよ…(//∇//) (2020年4月5日 22時) (レス) id: 253e460f3e (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - だよねー＾＾ (2020年4月5日 22時) (レス) id: 24fba8a938 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうの(プロフ) - ゆきさん» 想像している頭の中は覗かないでいただきたいところですね！！(笑) (2020年4月5日 22時) (レス) id: 253e460f3e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆうの
| 作者ホームページ：https://ameblo.jp/kanayunho
作成日時：2020年3月10日 16時
