僕のため…YN ページ29
★★★
「こちらになりますが宜しいですか？」
「結構です」
冬の札幌の土曜日の夜。
いきなり空いてる部屋なんて少し値段のはる部屋しか空きがなくて。
なんとかギリギリ見つけたのがこのホテルのプレミアルームだった。
チェックインを済ませてロビーのソファに座らせていたAさんの元へと戻る。
Aさんは伸びたスーツの足首の部分をさするようにしていて
その様子に
改めて僕は気付いた。
Aさんがスーツ姿だったことに。
今日は休日だからスーツで出勤なんてありえない。
それに仕事だとしても、カジュアルなスタイルばかりで
上下スーツに身を包む姿なんて、入社したあの日以来見ていない。
そんな時
スマホがLINEの着信を知らせたから確認すると
《ちゃんとヌナを捕まえましたか？
こちらはぼちぼちお開きです。
心配しなくてもドンホヒョンが上手くまとめてくれてるので心配無用！》
出来る弟、チャンミンからだった。
チャンミンと偶然会ってやってきたと言うAさん。
チャンミンに聞けば経緯がわかる…？
《なぁ、チャンミナ。Aさんって初めからスーツだった？》
少し間が空いて
《…それ、今、言いますか？！》
呆れた顔のスタンプも送られてきた。
《普通にトレーナーとジーンズでしたよ？
会場がホテルと聞いてドレスコードを心配したヌナとホテルのセレクトショップで何か調達しようと思ったんですが
そこに現れた浩一さんのアイディアで、ウェディングコーナーのスーツのレンタルをしたんです。
ヒョンに恥をかかせたくなくて、それに合わせたヒールも履いて少しでも大きく見せたいって》
…あのヒール？！
僕はまた
Aさんの姿を捉える。
…僕のため、だったのか。
僕のために履き慣れないヒールを履いて
そして怪我をしてしまったのか…,
《いじらしいじゃないですか？
ヌナは今日、自分のためじゃなくて、ヒョンのために少しだけオシャレをして行ったんです。》
チャンミンのメッセージに
また胸がいっぱいになった。
それなのにさっきの僕はどうだった？
こんな冬の道をあんなハイヒールで来るなんて、と
少し呆れ加減に返していなかったか？
Aさんが色々覚悟してやってきてくれたのに
僕は
すっかり浮かれて…
何をやっていたんだろう…
★★★
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ゆうの(プロフ) - まゆまゆさん» 止められないよー！止めるものもないよー！！突き進むのみ！！ (2020年4月6日 9時) (
レス) id: 253e460f3e (このIDを非表示/違反報告)
まゆまゆ(プロフ) - キャーッ////キター！こうなったらもう止められないよね。ドキドキして眠れなくなりそうです。この続きを想像して（笑） (2020年4月6日 1時) (レス) id: ddaab80a3d (このIDを非表示/違反報告)
ゆうの(プロフ) - ゆきさん» 頭の中はA V監督だわよ…(//∇//) (2020年4月5日 22時) (レス) id: 253e460f3e (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - だよねー＾＾ (2020年4月5日 22時) (レス) id: 24fba8a938 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうの(プロフ) - ゆきさん» 想像している頭の中は覗かないでいただきたいところですね！！(笑) (2020年4月5日 22時) (レス) id: 253e460f3e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆうの
| 作者ホームページ：https://ameblo.jp/kanayunho
作成日時：2020年3月10日 16時
