１６話 ページ17
私が城を出てから、数日が経った
最初は宿泊施設にでも泊まってこれからどうするかを考えるつもりだったが
偶然、飲食店のアルバイトを募集してるチラシを見かけ
そこへ足を運んでみた
衣食住はしっかり提供されるらしいので、行き先のない私としては
とても丁度よかった
「フューちゃん、今日もよろしくね」
店長のおばさんに“よろしくお願いします”と返事をする
無事面接が通り、この食事処で仕事をすることになった私は
此処では“フュー・レスタ”と名乗ることにした
流石に、本名なんて使ったら彼らがこのお店に偶然立ち寄った際にバレてしまうし
敵国が私を攫いにくる可能性もある
侍女長なんて立場なんだ、それなりに国の機密情報は持っているし
戦えず軍の守りもない元侍女長なんて情報源としての格好の的だ
愛国心と言えるほど立派なものではないが、自国の不利になるような情報を敵国に吐きたくはない
「そういえば、今日は市場で野菜が安売りされてるんだ。お使いを頼んでもいいかい？」
『市場でですか？分かりました。行ってきますね』
着ていたエプロンを脱ぐ
「ありがとね。はいこれ、メモとお金」
『ありがとうございます。じゃあ、行ってきます』
「気を付けてね」
おばさんやこのお店に来るお客さんはみんな優しい
温かくて、このお店を守りたいとも思う
だからこそ、自分の名前も何もかもを偽って接すのが少し心苦しかった
だけど話す事はできないし、話す日もきっと来ない
城に……彼らの元に帰る日も、きっと
フュー・レスタなんて
どうしてそんな名前を名乗ったのか
偽名を考える際によぎった、ガーネットのような瞳の彼
逃げても逃げても
私の意識はまだ、少し遠くに見えるあの軍基地の城にある
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来未(プロフ) - 今更この作品を読み始め，とても面白くて続きが待ち遠しいです！更新楽しみにしてます...！！💖 (3月28日 18時) (
レス) id: d2ee3e1e9b (このIDを非表示/違反報告)
檸檬 - 神作品をありがとう！！！！（初コメですすいません） (6月20日 18時) (レス) id: b3274f6834 (このIDを非表示/違反報告)
つゆの(プロフ) - いちごおしちゃん☆さん» ありがとうございます、気まぐれ更新にはなりますが是非これからもよろしくお願いします……！ (6月19日 21時) (レス) id: 52769e89e7 (このIDを非表示/違反報告)
いちごおしちゃん☆(プロフ) - つゆのさん» 良かったです!!この作品大好きでしたしまた読ませていただきます!! (2023年4月8日 8時) (レス) @page25 id: 92260459e9 (このIDを非表示/違反報告)
つゆの(プロフ) - 例の動画が上がってからかなりの時間が経過した為、パスワードを外させて頂きました。まだ安心と言い切ることは出来ませんが、こちらや他の夢小説の更新を楽しみにして下さっている方のお気持ちにお応えしたいと考えました。これからもよろしくお願いします……！ (2023年4月7日 22時) (レス) id: 6a6eebe6a3 (このIDを非表示/違反報告)
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