第213話 ページ27
加州の言葉に、なるほどと得心する。
彼があの刀箱に封じられていた理由は、二代目にバレたからではなく、睡蓮にバレたから。
そして、最初に刀箱を見つけた時、"まだ足りない"という二代目の思念が現れて蓋が開かなかった理由は、この本丸の刀剣男士、すべてを手入れしなければ開かない仕組みになっていたかららしい。
手入れの際には、男士の霊力が触れる。
それを感知して開くかどうかを組み込んだ術式をかけていたようだ。本当に高度すぎる。
そのため、大和守の手入れを一番最後にする必要があった。
彼と関われば、加州がいないことにはすぐ気づく。
そうなると全振りを手入れすれば終わることなのに、脱線して加州再顕現が遠のく可能性があったのだ。
これでようやく、すべての謎が解決した。
初代の行方も、僕の父様のことも、そして二代目の思惑も。
あまりに不器用で、どうしてそんな方法しか思いつかなかったのかと、物言わぬ石碑に内心で文句を垂れる。
すると加州は一度仕舞ったお守りをもう一度取り出して、それを切なそうに見つめたまま、乾いた笑いを零した。
「ほんっと…馬鹿な人だったよ。
俺が情報集めてることがあいつにバレたから、破壊したことにしなきゃならないって…
それで、このお守り渡してきてさ。
この貴重なお守りを、倉庫からこっそり持ち出して来たとか言って。本当に馬鹿だよね。大事なお守りが減ってたら、絶対みんな気づくのにさ」
呆れたような、怒っているような、それでいて苦し気に言葉を吐き出す加州に、僕は一歩近づく。
…二代目の様々な悪行はたくさん聞いたけれど…
お守りが消えたなんて話、一度も聞いたことがない。
「それで…さっき、確認したんだよ。倉庫を。
お守り、ここから取ったなら返さなきゃ、って…
でもさ…あったんだよ。二十四個、全部…初代が買い集めた時のまま」
…ここは優良本丸と呼ばれていた時代があっただけに、お守りを消費することも少なく、通常のお守りも豊富に蓄えている。
それに加えて極のお守りは、初代が四部隊分を少しずつ買いそろえていたらしい。
そのうちの一つは、加州の元にあるはずだった。
けれど…お守りは、一つも欠けることなく揃ったまま。
「何がっ…何が"かっぱらってきた"だよ…俺一人の為に、わざわざこんなことしてっ、勝手に死んじゃってさぁ…！なんでっ、なんで酒の飲みすぎなんかで死んでんだよっ！酒大っ嫌いだったくせに…！
本当に馬鹿だよ…このっ、バカ主…ッ！」
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寒蘭(プロフ) - レイラさん» コメントありがとうございます！そう言って頂けて嬉しい限りです(*´Д`*)これからも頑張ります！！ (4月18日 18時) (
レス) id: 69f96811e5 (このIDを非表示/違反報告)
レイラ(プロフ) - 初コメ失礼します！結論から言うと泣きました…。いやもう、設定から二代目の事からすごくよく考えられてて凄いなと！！！久しぶりに一気読みしてしまいました。ありがとうございます！番外編も楽しみに読ませてもらいます！ (4月18日 1時) (レス) @page34 id: 99fac2651d (このIDを非表示/違反報告)
寒蘭(プロフ) - 千珠さん» 千珠様、たくさんお褒め頂きありがとうございます〜！(*>д<*)楽しんでくださったのでしたら、私としてもこの上ない幸せです！これからも頑張ります！！ (2月16日 19時) (レス) id: 69f96811e5 (このIDを非表示/違反報告)
千珠 - 語彙力がなさすぎてなんてコメントすればいいかあれなんですけど、本当に最高でした！！(語彙力なくてごめんなさい)後日譚の方にも顔を出しに行きます！！お体の方も気を付けながら頑張ってください！！ずっと応援しています！！！ (2月16日 12時) (レス) id: 0eaf370a5f (このIDを非表示/違反報告)
千珠 - 初めまして！初コメ失礼します！この作品を読んでいっき見してしまいました、千珠といいます！寒蘭様の描く物語がとても私の好みドストライクで最高でした！！まさか夢主の父がおじいちゃん(三日月)だったとは…親子の感動の再開の場面で泣きそうになりました… (2月16日 12時) (レス) id: 0eaf370a5f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：寒蘭 | 作成日時：2023年12月14日 21時
