希望のソウルに惹き寄せられて

バグの群れ ページ41

ド「ロ、ロード！」

攻撃にいち早く気付いたドギーは咄嗟にブラスターで防御した
しかし思いの外攻撃が強かった為ブラスターは崩壊寸前に至るほどひびが入った

ラ「ッ！おい起きろぶどう野郎！」

グ「う…グ…」

ラ「クッソ！無茶するから…！」

ラズベリーは必死にグレープに呼びかけたがダメージがでかいのか目を覚まさずうめき声だけが口から漏れた
ラズベリーはチラッと前方のバクに目を向けた
ドギーは様々な攻撃を与えているが一向に聞いている気配がない
次に周囲の塵に目を向けると何やらバグの足元から球状のものがスライムのようにあふれており、それが塵を吸収していた

ラ(成る程、理由はわからないがこの塵がやつの力の元らしい。だとしたらここで戦っていても意味はない…)

ラ「…ドギー！引くぞ！」

ド「え、えぇ？」

ラ「早く！」

ド「わ、分かった…」

ここでは勝てないと察知したラズベリーはグレープを抱え元来た道に向かって走り出した
当然バグはその巨体とは想像もつかない勢いで追ってきた

ド「は、速い！ねぇロード、なんで逃げるの？グレープを安全な場所に置いて一緒に戦えばきっと勝てたのに！ここじゃ危なくて魔法攻撃使えないよ！」

ラ「バカ！お前もあの塵の山を見ただろ！あれが奴の力の元になってるんだ！あそこじゃ奴は疲れ知らず、先に疲れて僕らは負ける。でもあそこから離れればエネルギーの元がないから奴が弱る。つまりその時に一気に畳み掛けるんだよ！」

ド「そ、そうか！流石ロード！」

ラ「ふん。ロイヤルガード団長として当然だよ。」

そう言うとラズベリーは得意げに鼻を鳴らした
それと同時に出口が見えた

ド「出口だ！」

ラ「よし！一気に攻撃するぞ！…ってなんだここー！」

出た先はなんとバグの群れのど真ん中
来た道を戻る途中でどうやら道を間違えたらしく、音に反応してバグの群れは全員ラズベリー達の方をギョロリと見た
獲物を見つけた獣のように白い目を鋭くニヤリと笑ったように歪めて

ド「ロ、ロード…これって…」

ラ(あぁ。終わった。何がロイヤルガード団長だ。方向を誤りこのような絶体絶命の状況に仲間を陥らせて…失格だな...悪いなグレープ。お前のことをどうこう言える立場に僕はいなかったみたいだ。)

覚悟を決めラズベリーはギュッとグレープを抱く手を強く握りしめ、目を瞑った
ヒュンッというバグの唸らせる触手の攻撃が前後左右上下から向けられているのを感じる
そしてそれはラズベリー達目掛けて繰り出された

戦闘→←別れた後に起きたこと

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す