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崩れ落ちた櫻井さんがそのまま私のスマホを少し見て、ふ、と眉を寄せる。
「撒社長について調べた？」
「モテる男の顔見てやろうと思ったので近影探しました」
「見たのは顔だけ？」
なんだろう。探るような目。
「眠くなりそうだったので情報まとめてついでに似顔絵かいてたんです」
「うん、よくできてる」
櫻井さんが私の書いたメモを見て微笑んだ。
「で、他のスパイは見つかったんですか？」
「まだ」
「他のスパイなんているんでしょうかね？マコトはただの浮気相手なんじゃないです？」
「なんでそう思う？」
櫻井さんがスマホを確認しながらそう聞いてきた。
「さっきも言いましたけど、アイコは『会社のことなんてよくわかんない』ってタイプなのに、スパイはアイコから何の情報を得ようとしてるのか」
「うん」
「会社の秘密ではなく……そうだ！撒社長の秘密をさぐるってならわかる！」
「たとえば？」
櫻井さんの口調と視線が鋭くなった。
何？櫻井さんも何か隠してるよねこれ。
「た、例えば……マコトは大泥棒で、社長が持ってるなんたらの星とか、なんとかの涙とか、そういう異名を持ってる宝石を狙ってたり宝を隠した洞窟の地図を金庫から奪うとか」
「あはは、夢があっていいなぁソレ。そういうの追いかけたいよね」
櫻井さんがニコニコ笑って時計をふっと見た。
「そういやさっき眠くなりそうって言ってたよね。仮眠とっといで。夜中に監視、交代してくれるんでしょ」
「あ、はい。3時に交代でいいですか？」
「3時？大丈夫？すぐ寝れる？」
「はい！」
「すごい自信」
「横になって3秒で寝れるし目覚ましでパッと起きれます」
「……やっぱ向いてるなーこの仕事」
櫻井さんがニコニコした。勧誘されたのかしら。
「お望みであればこのまま仕事のパートナーに……そしてそのまま人生のパートナ」
「ん、おやすみ」
くっそう。
私のあしらい方攻略したな。
「おやすみなさいませ。ベッドの右側空けて寝ますので良かったら隣どうぞ。先に床に入らせていただきます」
三つ指ついて深々と頭を下げたら櫻井さんが私を見てニッコリ笑って言う。
「その右側の空間もったいないから、是非真ん中でのびのび寝てくださいね」
「優しい……！」
「うん、そうだね。早く寝ておいで」
だめだ、暖簾に腕押し。
トボトボ寝室のベッドに向かったら櫻井さんのフフ、と笑う声が聞こえてきてちょっと振り向いてみた。
櫻井さんがノールックで「おやすみ」ともう一度言った。
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松本りいな - 完結おめでとうございます！脳内回転させながらいつも楽しく読ませていただいています♡よしのさんの作品を中学生から読み始めて、今年社会人になりました！これからも愛溢れる素敵な作品を待っています♡お身体お大事にしてください☺︎ (4月18日 23時) (
レス) @page50 id: 714d7c5eb5 (このIDを非表示/違反報告)
ひよこ(プロフ) - よしのさん、完結おめでとうございます。いつも楽しく読ませていただいています。この探偵シリーズで2人の進展がみられたら嬉しいです！短編でも長編でも楽しみにしています♡無の証明も好きです！いつも素敵なお話をありがとうございます。 (4月13日 23時) (レス) @page50 id: 4eca2027db (このIDを非表示/違反報告)
みず - 完結おめでとうございます！ご婦人の正体、最後までわかっていなくて、読んだ時私も一緒に汗が出てきました(笑)最近よしのさんを知り、過去作品を漁って日々楽しく読ませていただいています！ (4月9日 20時) (レス) @page50 id: 90243a1d25 (このIDを非表示/違反報告)
うぉーるなっつ(プロフ) - 完結おめでとうございます！そして素敵なお話をありがとうございます！なんとなく読んでいる中に様々な伏線があり、最後の終わり方含めさすがよしのさんです！！改めて頭から読み直そうと思います👏そしておふたりの探偵物語も首を長くしてお待ちしています！ (4月9日 20時) (レス) @page50 id: 9a0230b096 (このIDを非表示/違反報告)
奏稀(プロフ) - 完結おめでとうございます！最後の展開に興奮が止まらないです…！！素敵なお話をありがとうございました😊 (4月9日 12時) (レス) @page50 id: c1b9d68e3d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：よしの
| 作者ホームページ：
作成日時：2024年1月31日 12時
