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「さ、こちらへ」
再び増田刑事に促されて行こうとしたら、また「待て」と声をかけられた。
「成功報酬は払わんぞ」
櫻井さんが冷たい目で社長を見る。
恐喝されるかも。
録音しちゃえ。
咄嗟に櫻井さんの影に隠れてスマホを操作する。
「……では経費だけ請求させてもらいます」
「仕事と称して女とデートしておきながらか、厚かましい」
櫻井さんは平然と社長に答えた。
「寝ずの番してたのでデートどころではありませんよ」
「……そんなことなんとでも言えるだろう、どうせアイコが毒入りのシャンパンを飲んで苦しんでいるときお前らはイチャついてたんだろう」
大久保刑事の眉がピクリと動く。
増田刑事も顔色が変わった。
「イチャついてません！私は誘ってみたのに櫻井さん真面目だから断られたの！」
嘘は言ってない。櫻井さんが苦笑した。
「いや、イチャついてたはずだ。苦しんで倒れたんだから物音で気づいてもよさそうなものを……気づかなかったのが職務怠慢の証拠だ！」
「俺達の部屋にはなんの音も聞こえませんでしたよ」
「いやしかし！ちょっとベランダに出て様子見てくれていたら隣の部屋の方から呻き声か何かの異常な音が聞こえていたはずだろう！」
「我々がベランダに出ても隣の声まではさすがに聞こえませんよ……」
「いやだから隣のベランダの声は聞こえ……」
唐突に社長が口をつぐむ。
ん？
なんか変。
「今僕達がベランダに出て様子をうかがっていたら、苦しむ声が聞こえたはず、って言いましたね」
櫻井さんが声を潜めた。
「……」
「大久保刑事、お尋ねします」
櫻井さんが大久保刑事をちらりと見て言う。
大久保刑事はしかめっ面だ。
「警察は、犯人しか知り得ない情報は外部に漏らさずに捜査するって聞いたことあるんですけど。そういうの、秘密の暴露っていうんでしたっけ」
「……はい」
「僕達はアイコさんとマコトさんがどこで亡くなって発見されたのか聞いていません。社長には伝えましたか？」
「いいえ」
「僕達は、当然彼らは部屋の中で亡くなっていたのだと思いこんでいましたが、もしかして亡くなっていたのは部屋の中では無かったんですか？」
「……はい」
「社長はなぜそれをご存知なんですか？東京にいたはずなのに？」
櫻井さんが冷たい目でそう言った。
「たまたま……そう思っただけだ！」
「たまたま？普通は部屋で亡くなったと思うでしょ？」
「アイコは風呂でシャンパンを飲むのが好きなんだ！」
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松本りいな - 完結おめでとうございます！脳内回転させながらいつも楽しく読ませていただいています♡よしのさんの作品を中学生から読み始めて、今年社会人になりました！これからも愛溢れる素敵な作品を待っています♡お身体お大事にしてください☺︎ (4月18日 23時) (
レス) @page50 id: 714d7c5eb5 (このIDを非表示/違反報告)
ひよこ(プロフ) - よしのさん、完結おめでとうございます。いつも楽しく読ませていただいています。この探偵シリーズで2人の進展がみられたら嬉しいです！短編でも長編でも楽しみにしています♡無の証明も好きです！いつも素敵なお話をありがとうございます。 (4月13日 23時) (レス) @page50 id: 4eca2027db (このIDを非表示/違反報告)
みず - 完結おめでとうございます！ご婦人の正体、最後までわかっていなくて、読んだ時私も一緒に汗が出てきました(笑)最近よしのさんを知り、過去作品を漁って日々楽しく読ませていただいています！ (4月9日 20時) (レス) @page50 id: 90243a1d25 (このIDを非表示/違反報告)
うぉーるなっつ(プロフ) - 完結おめでとうございます！そして素敵なお話をありがとうございます！なんとなく読んでいる中に様々な伏線があり、最後の終わり方含めさすがよしのさんです！！改めて頭から読み直そうと思います👏そしておふたりの探偵物語も首を長くしてお待ちしています！ (4月9日 20時) (レス) @page50 id: 9a0230b096 (このIDを非表示/違反報告)
奏稀(プロフ) - 完結おめでとうございます！最後の展開に興奮が止まらないです…！！素敵なお話をありがとうございました😊 (4月9日 12時) (レス) @page50 id: c1b9d68e3d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：よしの
| 作者ホームページ：
作成日時：2024年1月31日 12時
